HOKUTO編集部
11ヶ月前
大量化学療法と自家幹細胞移植の適応がある新規診断の多発性骨髄腫患者 (NDMM) において、 VRd (プロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ+免疫調節薬レナリドミド+デキサメタゾン) 導入・地固め療法およびレナリドミド維持療法への抗CD38モノクローナル抗体ダラツムマブの上乗せ効果を検証した第III相無作為化比較試験PERSEUSの結果から、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 オランダ・Erasmus MC Cancer InstituteのPieter Sonneveld氏が発表した。
ダラツムマブは新規診断された多発性骨髄腫患者の治療におけるさまざまなレジメンとの併用が承認されている。 第Ⅱ相非盲検実対照無作為化比較試験GRIFFINでは、 新規に診断された多発性骨髄腫の移植適応患者を対象に、 ダラツムマブ+RVd (レナリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン) 導入療法・地固め療法、 ならびにD-R (ダラツムマブ+レナリドミド) 維持療法の併用療法の有効性と安全性が示された。
本試験では、 新規診断された多発性骨髄腫の移植適応患者を対象に、 ダラツムマブ+VRd (D-VRd) 導入・地固め療法と、 D-R維持療法の有効性と安全性が、 VRd導入・地固め療法+レナリドミド維持療法単独と比較して検討された。
大量化学療法と自家幹細胞移植の適応がある18~70歳の新規診断多発性骨髄腫で、 ECOG PSが0~2の患者
709例を以下の2群に1 : 1 で無作為に割り付け、 全例に28日4サイクル導入療法、 28日2サイクルの地固め療法、 および維持療法を実施した。
D-VRd群 (355例)
VRd群 (354例)
導入療法・地固め療法はVRdのみ、 維持療法はレナリドミドのみ
主要評価項目
無増悪生存期間 (PFS)
副次評価項目
全奏効率 (完全奏効[CR]以上)、 10⁻⁵を閾値としたMRD陰性率、 全生存期間 (OS)
47.5ヵ月
両群で概ね一致
RR 0.42 (95%CI 0.30-0.59)、 p<0.0001
オッズ比 3.13、 p<0.0001
p<0.0001
p<0.0001
両群ともに中央値は未到達であった。
大量化学療法と自家幹細胞移植の適応がある新規多発性骨髄腫患者において、 VRd導入療法および地固め療法、 ならびにレナリドミド維持療法にダラツムマブを追加することで、 PFSが有意に改善した。 さらに、 全奏効率およびMRD陰性率も上昇した。
🔢 SLiM-CRAB (診断基準)
🔢 ISS (国際病期分類)
🔢 R-ISS (改訂国際病期分類)
🔢 R2-ISS (第2改訂国際病期分類)
💉 BLd(VRd)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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