海外ジャーナルクラブ
2年前
Platzbeckerらは, 輸血を要する低リスク骨髄異形成症候群 (LR-MDS), 環状鉄芽球を伴うMDS (RS-MDS) の患者を対象に, ラスパテルセプトの有効性と安全性を検討する第Ⅱ相試験を実施 (PACE-MDS試験). その結果, 投与期間中に新たな安全性の懸念事項は確認されず, 長期にわたり安全に投与できることが確認された. 本研究は, J Clin Oncol誌において発表された.
タイトルにあるLong-term, 長期の効果というのはどの領域でも注目されています. Long-termの定義ははっきりしたものはありませんし, 領域によって異なりますが, 大体1-2年とされています. それ以上の長期というのは, 臨床的には大変意義がありますが, 実はgrantの期間が限定されていることからなかなか調査できない, というのが現実です.
luspatercept (ラスパテルセプト)は, 再発または難治性の輸血依存性低リスク骨髄異形成症候群 (LR-MDS) および環状鉄芽球を伴うMDS (RS-MDS) 患者において高い臨床活性を有していることが報告されている.
PACE-MDS試験のLR-MDS患者108名
主要評価項目は安全性、 副次的評価項目は液学的改善率 (HI) 赤血球系改善率 (HI-E), 好中球系改善率 (HI-N), 血小板系改善率 (HI-P).
投与期間中央値315日において, 安全性に関する新たな懸念事項は認められなかった.
本研究は, 未治療のMDS-RSを含むLR-MDSのサブタイプにおけるラスパテルセプトの効果を明らかにし, 今後の臨床試験の基盤となるものである.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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