海外ジャーナルクラブ
30日前

Corrらは、 再発・進行子宮体癌の患者を対象に、 レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法の実臨床における有効性、 安全性、 および投与実態を多施設共同観察研究で検討した。 その結果、 レンバチニブ開始用量の違いによる奏効率や生存率への影響は認められなかった。 本研究はGynecol Oncol誌において発表された。
レンバチニブ開始用量の多少によらず、 奏効率・生存転帰・有害事象は同等であり、 人種間の差も認められませんでした。
KEYNOTE-775試験により、 レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法はミスマッチ修復機能保持 (pMMR) 再発子宮体癌の新たな標準治療として確立された。 しかし、 臨床試験では66.5%の患者で減量が必要となり、 実臨床における忍容性や有効性の再現性には不確実性が残されていた。
対象は、 2019~22年に米国14施設でレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法を受けた進行・再発子宮体癌患者だった。 主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 奏効率 (ORR) で、 副次評価項目はレンバチニブの用量別有害事象 (AE) 発現率などだった。
188例が評価され、 組織型は類内膜癌33%、 漿液性癌41%、 混合型9.6%、 癌肉腫10.1%、 明細胞癌2.1%で、 pMMRが85.6%、 ミスマッチ修復機能欠損 (dMMR) が5.3%だった。
レンバチニブの開始用量は、 20mgが19.7%、 18mgが14.9%、 14mgが47.3%、 10mgが18.1%で、 レンバチニブの用量強度の中央値は14mgであった。 またペムブロリズマブは200mgの3週毎投与が94.1%だった。
レンバチニブ開始用量別のORRは、 20mgが27%、 18mgが35.7%、 14mgが39.3%、 10mgが44.1%だった (p=0.50)。 開始用量の違いによるPFS (p=0.66)、 OS (p=0.22)、 治療期間の差はいずれも有意ではなかった。
レンバチニブ開始用量別のGrade3以上のAE発現率は20mgで13.5%、 18mgで17.9%、 14mgで7.9%、 10mgで17.6%で、 用量間で有意差はなかった (p=0.31)。
白人患者と黒人患者を比較しても、 ORR (p=0.24)、 PFS (p=0.66)、 OS (p=0.22) に差は認められなかった。
著者らは、 「実臨床の分析において、 主な開始用量はレンバチニブ14mgとペムブロリズマブ200mgだった。 開始用量の違いは奏効率や生存率に影響を与えず、 新たな重篤なAEも認められなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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