海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Klotzらは膵頭十二指腸切除術 (PD) を予定している患者を対象に、 ロボット支援PD (ロボット支援群) と開腹PD (開腹群) の合併症の発生などについて、 無作為化比較試験で検討。 その結果、 Comprehensive Complication Index(CCI)で評価した合併症の発生率に両群で差は認められなかった。 本研究は、 Lancet Reg Health Eur誌において発表された。
1/3以上の患者でICが取得出来なかったり、 臓器の理由でincludeされなかったりした点がlimitationとして挙げられています。 単施設RCTなので、 実際のRCTでのlimitationがはっきりと現れているといえます。
開腹PDは膵頭部疾患に対する標準的な外科治療法であるが、 約40%の症例で合併症が発生する。 近年、 ロボット支援PDの使用が増加しているが、 開腹術とロボット支援術を比較した無作為化比較試験の報告はなく、 エビデンスは限定的である。
膵頭十二指腸切除術を予定している患者 : 81例
医師主導探索的臨床試験。 被験者を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
術後90日以内の累積合併症発生率 (CCIで評価)
平均値の差 : -2.42 (95%CI -15.55-10.71、 p=0.713)
発生率の差 : 25.3% (95%CI 1.2-49.4%、 p=0.046)
手術関連費用および入院関連費用
いずれもロボット支援群で有意に高い
手術時間
ロボット支援群で有意に長い
出血量
両群間で有意差なし
ロボット支援群における術中の開腹群への変更
23%
全90日死亡率
4.8% (群間で有意差なし)
著者らは 「手術件数の非常に多い施設においては、 ロボット支援PDと開腹PDはいずれも安全な手技だと考えられる」 とした上で、 「周術期および長期の転帰に関するロボット支援PDの潜在的な利点を明らかにするには、 さらなる多施設共同無作為化比較試験が必要である」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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