海外ジャーナルクラブ
13日前

Nadarajahらは、 心房細動 (AF) の既往がない集団を対象に、 電子カルテ (EHR) を用いた機械学習モデルFIND-AF 2.0によるリスク層別化を、 5ヵ国のEHRコホートでの開発・外部検証と前向き検証研究で検討した。 前向き検証研究では、 AF既往がなく、 CHA₂DS₂-VAScスコアが男性2点以上、 女性3点以上の参加者を対象に携帯型心電計による心電図記録を行い、 AF診断割合を両群で比較した。 その結果、FIND-AF 2.0は脳卒中リスクが高い患者の中からAFの診断リスクが高い集団を特定できることが示された。 研究結果はCirculation誌に発表された。
前向き検証で診断されたAFは高リスク群46例・低リスク群5例と少なく、 オッズ比の95%CIも3.35-21.40と幅広いため、 リスク層別による検出効率の推定には相応の不確実性が残る点はlimitationです。
AFのスクリーニングは、 AF発症リスクに応じて対象を絞る方が効率的である可能性が指摘されている。 本研究は、 EHRを用いた機械学習予測モデルを開発・外部検証し、 前向きに検証することで、 リスクに基づくAFスクリーニングの有用性を評価することを目的とした。
英国 (208万1,139例)、 日本 (779万5,244例)、 イスラエル (216万6,795例)、 カナダ (62万7,919例)、 中国 (14万9,145例) のEHRを用い、 年齢および性別と10種の併存疾患から6ヵ月以内の新規AF発症を予測するランダムフォレストモデルFIND-AF 2.0を開発し、 検証した。
前向き検証研究では、 15施設で組み入れた30歳以上でAFの既往がなくCHA₂DS₂-VAScスコアが男性で2点以上、 女性で3点以上の1,923例をFIND-AF 2.0で高リスク群 (1,021例)と低リスク群 (902例)に層別化し、 携帯型心電計により3週間にわたって1日4回の心電図記録を行った。
主要評価項目はAF新規診断とした。 また、 AF患者レジストリFinACAF (22万9,565例) を用いて FIND-AF 2.0で高リスクかつ抗凝固療法未施行のAF患者における脳卒中リスクを推定した。
FIND-AF 2.0は全てのEHRに適用可能であり、 AUROCは英国0.819 (95%CI 0.809-0.829)、 イスラエル0.835 (95%CI 0.828-0.842)、 日本0.751 (95%CI 0.745-0.757)、 カナダ0.747 (95%CI 0.741-0.753)、 中国0.753 (95%CI 0.725-0.771) であった。
全コホートで男女ともAUROCは0.7を超え、 CHA₂DS₂-VAScおよびC2HESTと比較して予測性能は高かった。
前向き検証研究の対象となった1,923例 (15施設、 平均年齢70.2歳 [SD 9.4]) では、 1例あたり平均74.8回 (SD 19.4) の心電図が記録された。
AFの診断割合は低リスク群の902例中5例 (0.6%)と比べて高リスク群では1,021例中46例 (4.5%) と高かった (OR 8.46, 95%CI 3.35-21.40, p<0.001)。
高リスク群で新たにAFと診断された患者におけるAF burden (AF持続時間の総和/心電計評価時間) の中央値は33.4% (四分位範囲 5.1-91.6%) であり、その96.1%が経口抗凝固薬による治療を開始した。
FinACAFレジストリでは、 FIND-AF 2.0高リスクかつ抗凝固療法未施行のAF患者における虚血性脳卒中の発症率は100人年当たり6.0件であった。
著者らは、 「EHRを用いた機械学習モデルであるFIND-AF 2.0は、 脳卒中リスクが高い患者の中からAF診断リスクが高い集団を特定することができる。 このモデルは、 EHRを活用したリスクに基づくAFスクリーニングを大規模に実施するための有用な手法となる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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