寄稿ライター
4ヶ月前
高収入である医師は、 さまざまな投資に勧誘されることも多いです。 連載 「医師による医師のための財テク術」 の18回目では、 「どうして1Rマンション投資がなくならないのか」 について考察します。
1Rマンション投資を始めるキッカケとして 「先輩や同僚からの紹介」 が非常に多いです。
若手の医師は自分でできることが少なく、 先輩医師の指導が重要です。 一方、 本業が忙しく、 投資や経済について勉強している人はほとんどいません。 そうした中、 尊敬する先輩から1Rマンション投資を勧められ、 いつの間にか沼にはまってしまうわけです。
ここにもカラクリがあります。 思わぬ家賃下落などに見舞われた際に不動産会社に相談すると、 「同僚や後輩を紹介してくれて成約したら50万円」 のような紹介料を提示してくるケースがあるのです。
紹介してくれた先輩も、 自分の損失の穴埋めのためにあなたを紹介したのかも知れません。 紹介料は当然、 物件の価格に上乗せされます。 尊敬する先輩からの紹介だとしても、 必ず投資家として冷静に判断するのを忘れないようにしてください。
完全に善意で1Rマンションを勧めてくる人もいます。 一般の会社員の場合、 家賃減額などで月々の手出しが増えると、 ズシンと家計にのしかかってきます。
ただ、 医師は月数万の手出しは外勤1回分でペイできてしまうため、 重症感に乏しいです。 ローン返済や管理費・修繕費などは別々に引き落としされるため、 全体のキャッシュフローが赤字であることにすら気が付かないケースもあるのです。
1Rマンションを 「良い投資」 と勘違いしている人が、 良かれと思って後輩に広めてしまう可能性があるのです。
不動産価格は経済状況に大きく影響を受け、 【図1】のように日経平均と連動することも知られています。 そのため、 リーマンショック後に1Rマンションを購入し、 物件価格が上昇してうまく売り抜けられた人もいるのが事実です。
ただ、 最近は不動産価格が上がりすぎており、 1Rマンションも過剰供給になっています。 現状から更に価格が大きく上昇する可能性は低いと私は考えています。
この連載では6回に渡り、 1Rマンション投資に潜む危険性について紹介しました。 「どうしてネガティブなことばかり言うのか」 と疑問に思った人もいるかもしれません。
私自身、 不動産投資は高年収かつ高属性の医師にとって非常に相性が良く、 資産形成に大いに助けになると思っています。 ただ、 それ以上に騙されて人生を狂わされてしまう人を少しでも減らしたいという思いが強く、 徹底的に書いてきました。
先生方の周りで1Rマンション投資を始めようとしている人がいたら、 この情報を共有して、 少しでも 「被害者」 を減らせるようにしていただければ幸いです。
いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは
となります。 次回は1LDKマンション投資について考えていきます。
*¹⁾ オウチーノニュース : 【2024年最新】日本の不動産価格は今後どうなる?推移といつ下がるかの見通しを解説!(2024/10/30)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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