医師のためのLIFESTYLE特集
2年前
子どもが生まれた後、 父親が休みを取りやすくすることを狙った 「産後パパ育休」 (正式名・出生時育児休業」 がスタートした。 とはいえ、 普通の連休も取りづらい勤務医。 育休は取りやすくなるのか。 パパ医師の本音を聞いた。
厚生労働省によると、 2021年度に育児休業を取得した男性は過去最高の13.97%になった。 ただ、 女性の85.1%に比べると依然として大きな開きがある。
そこで10月から始まったのが 「産後パパ育休」 だ。 子どもが生まれた後8週間以内に、 計4週間の育休を2回に分けて取得できる。 勤務先との事前調整で育休中に働くことも可能となる (日数や就業時間に上限あり) 。
例えば、 里帰り出産の立ち会いや妻の産後ケアで1回目を取得。 その後、いったん職場復帰し、 妻が里帰りから戻ってくるタイミングで2回目をとる、ということもできる。
厚労省は、 仕事の都合などで「長期間職場を離れるのは難しい」と、 これまで育休取得に及び腰だった男性に利用してもらうことを狙う これまでは、 特例を除いて連続での取得が基本だった。
産後パパ育休のスタートに合わせ、これまで基本は分割取得ができなかった通常の育児休業制度 (原則子どもが1歳になるまで) も改正され、 父母それぞれが2回に分けて取得できるようになった。
一連の制度改正で、 男性医師は育休が取りやすくなるのか。 東京都内の病院に勤務するある男性医師は 「結局はスタッフの数や医局の雰囲気に左右されるでは」と話す。
男性は長男が生まれた2年前、 従来の育休を6ヶ月取得した。 その病院では男性初の育休取得で、 申請書類が用意されていないなどのトラブルもあった。 ただ、 事前に育休の希望を病院に伝え、 当時はスタッフが多い時期だったことも幸いし、スムーズに取得できたという。
何よりも 「市中病院勤務で、 人の異動が少ないことも大きかった」といい、 「大学関連病院の多くは年度途中での人数調整が難しい。 (産後パパ育休の導入で) 短い育休を分割取得できるようになれば、 多少理解を得られやすくなるが、 ハードルは依然として高いだろう」と明かす。
実際に育休を取得する男性医師は 「他業界よりかなり少ない」 (医療関係者) 。 先の男性医師は 「男が育休を取ることが当たり前という前提で各病院の人員配分や医師確保の政策を考えてほしい」 と注文をつけた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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