CKDの診断基準
日本腎臓学会CKD診療ガイド2012より引用¹⁾. 以下のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続することで診断する.
- 尿検査、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか (特に0.15g/gCr以上の蛋白尿 or 30 mg/gCr以上のアルブミン尿が重要)
- GFR 60mL/分/1.73 m²未満
GFRの計算
- GFR(糸球体濾過量)測定のゴールドスタンダードはイヌリンクリアランスである.
- しかし、煩雑で高額な検査となるため日常診療では日本人のGFR推算式を用いてeGFRとして評価することが多い.
CKDの重症度分類 (CGA分類)
重症度は、 原疾患 (Cause : C)、腎機能 (GFR : G)、蛋白尿・アルブミン尿 (Albuminuria : A) に基づくCGA分類で評価する. 例えば、 糖尿病G2A3、 慢性腎炎G3bA1、 腎硬化症疑いG4A1、 多発性囊胞腎G3aA1、 原因不明の CKD G4A2などのように表記する. 慢性透析を受けている場合にはD (dialysisのD)をつける (例:G5D).
原因疾患【C】と蛋白尿区分【A】
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*我が国の保険診療では、アルブミン尿の測定は、糖尿病または糖尿病性早期腎症であって微量アルブミン尿を疑う患者に対し、3ヶ月に1回に限り認められている。糖尿病において、尿定性で1+以上の明らかな尿蛋白を認める場合は尿アルブミン測定は保険で認められていないため、治療効果を評価するために定量検査を行う場合は尿蛋白定量を検討する。
GFR区分【G】
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慢性透析を受けている場合にはD (dialysisのD)をつける (例:G5D)
CGA分類とCKD重症度
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CKDの重症度は死亡、末期腎不全、心血管死発症のリスクを緑のステージを基準に、 黄→オレンジ→赤の順にステージが上昇するほどリスクは上昇する¹⁾²⁾。
かかりつけ医からの紹介基準
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上記以外に、3ヶ月以内に30%以上の腎機能の悪化を認める場合は速やかに紹介。上記基準ならびに地域の状況などを考慮し、
かかりつけ医が紹介を判断し、かかりつけ医と腎臓専門医・
専門医療機関で逆紹介や併診等の受診形態を検討する³⁾。
関連コンテンツ
🔢 eGFR(糸球体濾過量)の計算
参考文献
- 日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012
- KDIGO CKD guideline 2012
- エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
最終更新:2022年3月11日
監修・作図:聖路加国際病院救急部 清水真人