海外ジャーナルクラブ
8時間前

Turchinらは、 メトホルミン単剤治療中の2型糖尿病患者を対象に、 2次治療としてGLP-1受容体作動薬またはSGLT2阻害薬を開始した場合の腎機能悪化リスクをDPP-4阻害薬と比較し、アルブミン尿の有無別に標的試験エミュレーションで検討。 その結果、 5年リスク比は、アルブミン尿あり群では0.60 (95%CI 0.42-0.82) と腎機能悪化リスクの低下と関連した。 一方、 アルブミン尿なし群では1.10 (95%CI 0.90-1.38) と明確な差は示されなかった。 研究結果はBMJ誌に発表された。
ベースラインでアルブミン尿がない群でも新規アルブミン尿が発生するため、 ベースラインのアルブミン尿の有無による治療効果の差を十分に評価できなかった可能性があります。
本研究は、 アルブミン尿の有無別に、 2型糖尿病の2次治療にGLP-1受容体作動薬 (GLP-1RA) やSGLT2阻害薬 (SGLT2i) を用いた場合の腎機能悪化リスクを、 ほかの2次治療薬と比較することを目的とした。
本研究は、BESTMED研究のデータ (10の医療システムと2つの全国医療保険プランの電子カルテ・レセプトデータを連結) を用いた標的試験エミュレーション (target trial emulation) 研究である。
対象は、心血管リスクが中等度かつ推算糸球体濾過量 (eGFR) が45mL/分/1.73m²以上で、 メトホルミン単剤治療中の2型糖尿病患者のうち、 2014~22年にメトホルミンに続く2次治療薬を開始した患者とした。
開始した2次治療薬により、以下の3群に分けられた。
主要評価項目は腎機能悪化*であり、 アルブミン尿**の有無別に、 GLP-1RA/SGLT2i群とDPP-4i群の5年リスクを比較した。
適格例は7万5,455例で、 うち6万1,583例 (81.76%) はアルブミン尿を認めなかった。 年齢中央値は60歳 (IQR 51-68歳)、 女性は3万6,231例 (48%)、 HbA1c中央値は7.8% (IQR 7.3~8.5%)、 eGFR中央値は92mL/分/1.73m² (IQR 77~102mL/分/1.73m²) であった。
追跡期間中央値は32ヵ月 (IQR 18~57ヵ月) であった。
アルブミン尿あり群の5年腎機能悪化リスクは、 GLP-1RA/SGLT2i群3.2% (95%CI 2.3-4.1%) vs DPP-4i群5.4% (95%CI 4.2-6.7%) で、 5年リスク比0.60 (95%CI 0.42-0.82) とGLP-1RA/SGLT2i群で低かった。
アルブミン尿なし群では2.4% (95%CI 2.1-2.7%) vs 2.1% (95%CI 1.8-2.6%) で、 5年リスク比は1.10 (95%CI 0.90-1.38) と有意差は認められなかった。
著者らは 「DPP-4iと比較して、 GLP-1RAおよびSGLT2iは、 アルブミン尿を呈する2型DM患者における腎機能悪化リスクを低減させる可能性がある。 一方で、 アルブミン尿を呈さない患者における腎アウトカムへの有益性は示されなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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