寄稿ライター
1年前
「お受験」 を考える医師家庭は多いと思いますが、 志望校をどう選択するかは悩みどころです。 連載 「先生のとこ、お受験どうしました?」 の2回目は、 ママさん医師の玲奈先生に、 国立・私立の志望パターンを解説してもらいます。
そもそも、 どうして 「お受験」 をするのか。 志望動機によって志願する学校も変わってきます。
例えば 「質の高い授業を受けさせたい」 「過熱する中学校受験を避けたい」 「異学年交流や合同活動を通じてコミュニケーション能力の高い人間に育てたい」 など、 動機は家庭ごとに大きく異なります。
これら親の希望を叶えられそうな学校を選ぶことが基本であり、 その過程で 「我が家の志願理由」 が具体化されていきます。
国立小学校は私立小学校と比べ、 学費が格段に安いことが大きな魅力です。
首都圏では東京学芸大付属、 筑波大付属、 お茶の水大付属、 横浜国立大付属、 関西圏では大阪教育大付属、 神戸大付属などの小学校があります。 医師家庭では、 親が卒業生というパターンもあるでしょう。
ただ、 大変な高倍率です。 東京学芸大付属竹早小学校は定員40名(男女各20名)に対し、 出願者数(2023年度)は男子1393名、 女子1272名でした。 一次抽選合格者はそれぞれ213名、 200名と公表されています。
つまり、 全出願者のうち85% (2252名) は試験を受けることさえできなかったということです。 その後調査 (試験) を受けて合格を得た後も二次抽選があります。 出願から合格までの倍率は男子69.7倍、 女子63.6倍です。
国立を専願にする場合、 親子でこの厳しさに耐えられるかどうかが問われます。
一方、 私立小学校だけを受ける家庭は、 校風が大きな選択理由となります。 教育熱心な家庭が集まる小学校受験ですが、 私立と国立の雰囲気は大きく異なり、 国立小は公立小に近い雰囲気です。
代々私立の伝統校に通っている家庭は私立志向になりやすいです。 小学校受験を検討したきっかけが国立小だった家庭でも、 学校見学を重ねる中で「私立小が良い」 と感じるケースも少なくありません。
王道はやっぱり 「私立国立併願」 コースです。 ただ、 実は体力的にもメンタル的にも相当なタフさが求められます。
都内の考査日は、 私立小が11月初旬、 国立小が11月末〜12月初旬です。 考査の前には9月上旬ごろから私立小の面接試験があります。 つまり、 私立国立併願の受験期間は約3ヶ月に及び、 親子ともに大変なストレスにさらされます。
お受験は一般的な発達以上の能力を要求するものが多く、 一度勉強から離脱すると再開は困難です。 親も所作や言動、 考査手続きなどに神経を使います。 この厳しさを耐え抜いた親子は本当に凄いと感じます。
国立、 私立それぞれに特徴があり、 お受験をする人が必ずしも両者を併願するわけではありません。 校風の吟味はもちろん、 倍率や日程、 親がお受験に割ける余力などを考慮して決めることが重要です。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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