HOKUTO編集部
11ヶ月前
新規に診断された多発性骨髄腫 (NDMM) の移植適応患者を対象に、 自己幹細胞移植 (ASCT) 前導入療法および地固め療法としてのプロテアソーム阻害薬カルフィルゾミブ+免疫調節薬レナリドミド+デキサメタゾン (KRd) +抗CD38抗体イサツキシマブ併用療法 (Isa-KRd) の有効性および安全性を検証した第Ⅲ相無作為化比較試験IsKiaの結果が示された。 Isa-KRdはKRdに比べて地固め療法後、 導入療法後、 ASCT後のいずれの治療段階でも微小残存病変 (MRD) 陰性率を有意に上昇させ、 安全性の新たな懸念も認められなかった。 イタリア・University of TorinoのFrancesca Gay氏が発表した。
移植適応がある70歳未満の多発性骨髄腫患者
302例を以下の2群に1 : 1 で無作為に割り付け、 導入療法 (28日4サイクル)、 メルファラン200mg/m²+ASCT (MEL200-ASCT)、 地固め療法 (28日4サイクル) を実施した。
Isa-KRd群 (151例)
KRd群 (151例)
導入・地固め療法ともに、 K・R・dのみ
主要評価項目
地固め療法後の次世代シーケンシング (NGS) によるMRD陰性率
副次評価項目
導入療法後のMRD陰性率、 無増悪生存期間 (PFS)、 MRD陰性維持率
21ヵ月 (データカットオフ日 : 2023年5月22日)
導入療法と地固め療法を完了した患者は、 Isa-KRd 群で83%、 KRd 群で90%に認めた。
閾値10⁻⁵
OR 1.67、 p=0.049
閾値10⁻⁶
OR 2.29、 p<0.001
閾値が10⁻⁵、 10⁻⁶のどちらにおいても全サブグループで一貫して、 Isa-KRd群のKRd群に対する優位性が示され、 標準リスク患者およびHiRCA患者においても同様の優位性が認められた。
Isa-KRd療法の安全性に関する新たな懸念は認められなかった。
多発性骨髄腫患者において、 KRdの導入療法と地固め療法にイサツキシマブを追加することで、 地固め療法を含む全治療段階でMRD陰性率が有意に上昇し、 ハイリスク患者でも同様の結果を示した。 また、 安全性プロファイルも既報と同様だった。 今後の長期追跡によってMRD陰性率とPFS/全生存期間 (OS) との相関について検討していく。
🔢 SLiM-CRAB (診断基準)
🔢 ISS (国際病期分類)
🔢 R-ISS (改訂国際病期分類)
🔢 R2-ISS (第2改訂国際病期分類)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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