海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Passeronらは、 掌蹠膿疱症または掌蹠膿疱性乾癬の患者21例を対象に、 抗インターロイキン (IL) -17抗体ビメキズマブの有効性を症例集積研究で検討した。 その結果、 ビメキズマブは掌蹠膿疱症、 掌蹠膿疱性乾癬、 SAPHO症候群の治療に有望であることが示唆された。 本研究は、 JAMA Dermatol誌において発表された。
少ないn数、 対照群なし、 長期アウトカムなしで掲載されているということはそれだけ実臨床へのpositive impactの方が強いと言えると思います。
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掌蹠膿疱症と掌蹠膿疱性乾癬の治療は依然として困難である。 これらの疾患ではIL-17またはIL-36のループが相乗的に作用し、 掌蹠膿疱症を誘発することが示唆されている。
2022年9月~23年6月にフランスの3次皮膚科センターで治療を受けた掌蹠膿疱症と掌蹠膿疱性乾癬の成人患者
ビメキズマブによる3ヵ月以上の治療
治療後のinvestigator global assessment (IGA) スコア
IGAスコア
17例が1~4ヵ月でIGAスコア0点 (病変なし) を達成した。
アロポー稽留性肢端皮膚炎
掌蹠膿疱症の3例はアロポー稽留性肢端皮膚炎を呈したが、 これらの患者の爪病変はビメキズマブ投与4~6ヵ月後に50~70%の改善を示した。
SAPHO症候群
患者2例においてSAPHO (滑膜炎、 ざ瘡、 膿疱症、 骨過形成、 骨炎) 症候群が確認されたが、 いずれも皮膚病変は消失し、 関節痛も改善した。
有害事象によりビメキズマブの治療を中止した患者はいなかった。
ビメキズマブは掌蹠膿疱症、 掌蹠膿疱性乾癬、 SAPHO症候群の治療において有望であることが示唆された。 これらの初期結果を検証するためには、 前向き無作為プラセボ対照臨床試験が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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