HOKUTO編集部
4日前

関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 抗IL-6受容体抗体サリルマブ (SAR) の有効性に影響する患者背景因子を、 国内で実施された日常診療下でのSAR治療に関する非介入前向き観察研究PROFILE-Jの事後解析で検討した結果、 CDAI寛解達成率はSAR投与後の24週時および52週時で経時的に上昇し、 24週時および52週時にCDAI寛解達成率を有意に上昇させる因子として男性が抽出された。 また、 52週時にCDAI寛解達成率を有意に低下させる因子として、 年齢増加、 BMI≧25、 RA罹病期間の長期化、 疼痛VAS高値、 HAQ-DI高値が抽出された。 産業医科大学分子標的治療内科学講座特別教授の田中良哉氏が発表した。
SARはRAを適応として国内で2017年に承認されているが、 実臨床においてその有効性に影響する患者背景因子に関する知見は限られている。
そこで本研究では、 CDAI寛解達成率を指標としてSARの有効性に影響する患者背景因子を、 前向き観察研究の事後解析で検討した。
対象は、 国内の非介入前向き観察研究PROFILE-Jの有効性解析対象集団1,715例 (SAR投与を開始したベースライン時) であった。
CDAI寛解達成率 (CDAI≦2.8) を有効性指標とし、 評価時点はSAR投与開始後24週時および52週時とした。
CDAI寛解達成の有無を目的変数、 ベースライン時における約20の患者背景因子を説明変数候補とし、 各評価時点において単変量ロジスティック回帰分析を実施した。 さらに、 単変量ロジスティック回帰分析でp<0.1となった因子 (CDAIは除外) を用いて、 多変量ロジスティック回帰分析 (強制投入法) を実施した。
ベースライン時における患者背景として、 年齢平均値は66.6歳 (標準偏差 [SD] 12.8歳)、 65歳以上が63.2%、 75歳以上が29.5%と高齢者の割合が高かった。 女性が76.0%、 BMI≧25が24.2%を占めていた。
RA診断時年齢平均値は58.9歳 (SD 15.4歳)、 60歳以上が51.8%と高齢発症患者が半数を占め、 RA罹病期間中央値は26.2ヵ月 (第1四分位数 4.9、 第3四分位数 95.9)、 3年超は55.5%であった。 リウマトイド因子陽性が74.7%、 抗CCP抗体 (SAR投与開始前5年間のデータに基づく) 陽性が72.5%を占めた。
CDAI平均値は21.2 (SD 12.04) と疾患活動性は中等度から高度であり、 SJC28平均値は5.3 (SD 5.17)、 TJC28平均値は5.8 (SD 5.91) であった。
52週時におけるSAR治療継続率は67.5%であった。
ベースライン時のメトトレキサート (MTX) 併用率は47.8%、 グルココルチコイド併用率は39.8%であった。
CDAI寛解達成率は、 24週時で27.5%、 52週時で38.9%と、 ベースライン時の1.3%と比べて有意かつ経時的に上昇した (いずれもp<0.0001)。
多変量ロジスティック回帰分析の結果、 CDAI寛解達成率を有意に上昇させる因子として、 24週時および52週時で共通して男性 (24週時 : OR 2.04 [95%CI 1.32-3.16]、 p=0.001、 52週時 : OR 1.67 [95%CI 1.05-2.65]、 p=0.029) が抽出された。
また、 52週時のCDAI寛解達成率を有意に低下させる因子として、
が抽出された。
MTX併用、 前治療における生物学的製剤 (bDMARDs) 数、 RA診断時年齢 (60歳以上/未満)、 血清学的陰性などは、 CDAI寛解達成率に影響する因子として認められなかった。
これらの結果より、 田中氏は 「患者背景因子を考慮したSAR投与により、 多くの患者で安定した寛解達成が見込まれる」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。