海外ジャーナルクラブ
1日前

Chuらは、 中国39施設で外科的感染源コントロールを受ける敗血症性ショックの成人患者を対象に、 術中の強心薬ドブタミンと昇圧薬ノルアドレナリン併用とノルアドレナリン単独の術後転帰を非盲検無作為化比較試験で比較した。 その結果、 術後7日以内の急性腎障害 (AKI) の新規発症または悪化の発生率はノルアドレナリン単独群に比べてドブタミン+ノルアドレナリン群で有意に低かった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
非盲検試験であり、 バイアスが生じた可能性があります。 ただし、 データ収集・解析担当者は患者診療に関与しておらず、 バイアスの軽減が図られました。
🔢 SOFAスコア
国際ガイドラインでは、 敗血症性ショックで心機能障害と持続的な低灌流がある成人にはドブタミンの投与が推奨されているが、 その根拠となるエビデンスの確実性は極めて低い。 また、 外科的感染源コントロールを受ける敗血症性ショック患者において、 術中のドブタミンとノルアドレナリンの併用がノルアドレナリン単独と比べて術後転帰に与える影響を検討した無作為化比較試験が不足していた。
本試験は中国の三次医療機関39施設で実施した非盲検の無作為化比較試験で、 外科的感染源コントロールを受ける敗血症性ショックの成人患者584例を対象とした。 患者は以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は、 KDIGO基準で定義した術後7日以内のAKIの新規発症または術前からあったAKIの悪化とした。 副次評価項目は11項目で、 術後1日目のSequential Organ Failure Assessment (SOFA) スコアや介入1時間後の尿量などであった。
主要評価項目である術後7日以内のAKIの新規発症または術前からあったAKIの悪化の発生率は、 ノルアドレナリン単独群と比べて、 ドブタミン+ノルアドレナリン群で有意に低かった。
主要評価項目 (術後7日以内のAKIの新規発症または悪化)
調整リスク比 0.64 (95%CI 0.49–0.83)
副次評価項目11項目のうち9項目については、 ドブタミン+ノルアドレナリン群とノルアドレナリン単独群に有意差は認められなかった。 残る2項目については、 ノルアドレナリン単独群と比べてドブタミン+ノルアドレナリン群で術後1日目のSOFAスコアが低く、 介入1時間後の尿量は多かった。
術後1日目のSOFAスコア
調整差 -0.53 (95%CI -0.98~-0.07)
介入1時間後の尿量
調整差 0.55mL/kg/h (95%CI 0.03–1.07mL/kg/h)
Stage 2および3のAKIの発生率も、 ノルアドレナリン単独群と比べてドブタミン+ノルアドレナリン群で低かった。
Stage 2のAKI
調整リスク比 0.48 (95%CI 0.26–0.88)
Stage 3のAKI
調整リスク比 0.56 (95%CI 0.35–0.91)
心拍数が100回/分を超える頻脈は、 ノルアドレナリン単独群に比べてドブタミン+ノルアドレナリン群で多く認められた。
著者らは、 「外科的感染源コントロール手術を受ける敗血症性ショックの成人患者において、 術中のドブタミンとノルアドレナリンの併用は、 ノルアドレナリン単独に比べて術後7日以内のAKIの新規発症または悪化の発生率を低下させた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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