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5日前

Steven J Frankらは中咽頭癌患者を対象に、 強度変調陽子線治療 (IMPT) と強度変調放射線治療 (IMRT) の有効性および安全性を比較するため、 多施設共同非劣性第Ⅲ相無作為化比較試験を実施した。 その結果、 IMPTはIMRTに対して無増悪生存期間 (PFS) において非劣性を示し、 全生存期間 (OS) の改善および高グレード治療関連毒性が低頻度であることが明らかとなった。 本研究はLancetに掲載された。
陽子線は高コストのため,今後費用対効果の検討も必要になります。
中咽頭癌に対する標準治療であるIMRTは高い局所制御率を示す一方、 嚥下障害、 口腔乾燥、 重度リンパ球減少症などの治療関連毒性が問題となっている。 IMPTは治療強度を維持しつつ毒性を軽減できる可能性がある治療選択肢の一つである。
今回の研究では、 中咽頭癌患者を対象にIMRTに対するIMPTの有効性と安全性を前向きに検証した。
米国21施設で登録された18歳以上のStage IIIまたはIVの中咽頭癌患者440例を対象とし、 IMPT群とIMRT群に1:1で無作為に割り付けた。
主要評価項目はPFS、 副次評価項目はOS、 5年再発率、 治療関連毒性であった。
追跡期間中央値3.2年の結果、 主要評価項目であるPFSにおいて、 IMPT群のIMRT群に対する非劣性が示された (HR 0.88 [95%CI 0.57–1.35]、 非劣性p=0.005)。
各群における3年PFS、 5年PFSは以下の通りであった。
3年PFS
5年PFS
5年時点でのOSはIMPT群で90.9%、 IMRT群で81.0%であり、 IMPT群で有意な改善が認められた (HR 0.58 [95%CI 0.34–0.99]、 p=0.045)。
5年再発率では、 局所再発、 領域再発、 遠隔転移のいずれにおいても両群間に有意差は認められなかった。
安全性評価では、 IMPT群において高グレードの治療関連毒性が低頻度であった。
著者らは 「IMPTは無増悪生存期間においてIMRTに対する非劣性を示し、 全生存期間の改善、 同等の疾患制御、 およびIMRTと比較した高グレード毒性の低減が認められた。 治療関連死および進行後の死亡はIMRT群でより頻繁に発生した。 IMPTは中咽頭癌患者に対する新たな標準治療選択肢である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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