【JAMA Oncol】50歳未満の早期発症癌、過去10年間で増加が著しかったのは?
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】50歳未満の早期発症癌、過去10年間で増加が著しかったのは?

【JAMA Oncol】50歳未満の早期発症癌、過去10年間で増加が著しかったのは?
Kohらは、 50歳未満の癌罹患の変化を米国の住民ベースのコホート研究で検討。その結果、 2010~19年にかけて米国の早期発症癌の罹患率は増加しており、 特に消化器癌の増加が著しかったことが明らかとなった。本研究は、 JAMA Netw Open誌において発表された。

📘原著論文

Patterns in Cancer Incidence Among People Younger Than 50 Years in the US, 2010 to 2019. JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2328171. PMID: 37585204

👨‍⚕️監修医師のコメント

虫垂癌の増加が昨今言われておりますが、 本研究はその科学的根拠になります。


背景

早期発症癌 (50歳未満で診断される癌と定義) の罹患率が増加していることを示唆する研究が出てきているが、 最新のデータは限られている。

研究デザイン

方法

  • 2010年1月1日~2019年12月31日の米国国立癌研究所のSurveillance, Epidemiology, and End Results (SEER) の17のレジストリデータを基に、 人口10万人当たりの年齢標準化罹患率を算出した。
  • 年齢標準化罹患率の年間変化率 (annual percent change:APC) はJoinpoint回帰法を用いて推定した。

主要評価項目

50歳未満の癌患者の罹患率と疫学データ

研究結果

2010~19年の癌の罹患率

2010~19年に50歳未満の早期発症癌の罹患率は全体では増加したが、 50歳以上の癌罹患率は減少していた。

  • 50歳未満:APC 0.28%、 95%CI 0.09-0.47、 P=0.01
  • 50歳以上:APC -0.87%、 95%CI -1.06--0.67、 P<0.001

早期発症癌は女性においては増加していたが、 男性においては減少していた。

  • 女性:APC 0.67%、 95%CI 0.39-0.94、 P=0.001
  • 男性:APC -0.37%、 95%CI -0.51--0.22、 P<0.001

罹患数が最も多かった早期発症癌

2019年において早期発症癌の罹患数が最も多かったのは乳癌 (1万2,649例) であった。

罹患率が急速に増加した癌

2010~19年に最も罹患率が急速に増加したのは消化器癌だった。

APC 2.16%、 95%CI 1.66-2.67、 p<0.001

罹患率が特に増加していた消化器癌

  • 虫垂癌:APC 15.61%、 95%CI 9.21-22.38、 P<0.001
  • 肝内胆管癌:APC 8.12%、 95%CI 4.94-11.39、 P<0.001
  • 膵臓癌:APC 2.53%、 95%CI 1.69-3.38、 P<0.001

結論

2010~19年の早期発症癌の罹患率は増加していた。2019年の罹患数は乳癌が最も多かった一方で、 罹患率の増加については消化器癌が最も顕著であった。これらの情報は、 癌のサーベイランスや資金調達の優先順位を考える際の参考となり得る。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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