海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Zhdanavaらは、 乾癬の患者を対象に、 IL-23阻害薬グセルクマブとIL-17阻害薬セクキヌマブおよびイキセキズマブの治療継続率および寛解達成率を比較する後ろ向き縦断コホート研究を実施した。 その結果、 グセルクマブはIL-17阻害薬の2群に比べ、 治療継続率と寛解達成率がいずれも高かった。 本研究は、 J Dermatolog Treat誌において発表された。
本研究ではEntropy Balancingという特殊な方法を用いて比較群間の交絡因子を調整しています。 ただ、 当然ですが調整しきれていない因子も残っている可能性がありlimitationとなります。
乾癬治療において、 IL-23阻害薬およびIL-17阻害薬の有効性が認識されているが、 これらの長期的な治療成績に関するリアルワールドデータは限られている。 本研究では、 IL-23阻害薬であるグセルクマブとIL-17阻害薬の投与を開始した患者の治療継続性と寛解達成率を比較した。
2016年1月1日~2021年10月31日に、 グセルクマブ、 セクキヌマブ、 イキセキズマブによる治療を開始した18歳以上の乾癬患者
治療継続率
寛解達成率
以下のペアを解析に組み入れ、 ペアワイズ相関分析を実施した。
グセルクマブ群 vs セクキヌマブ群
グセルクマブ群で有意に高かった。
HR 2.15 (95%CI 2.01-2.31)、 p<0.001
グセルクマブ群 vs イキセキズマブ群
グセルクマブ群で有意に高かった。
HR 1.77 (95%CI 1.65-1.91)、 p<0.001
グセルクマブ群 vs セクキヌマブ群
グセルクマブ群で有意に高かった。
率比 (RR) 1.31 (95%CI 1.18-1.46)、 p<0.001
グセルクマブ群 vs イキセキズマブ群
グセルクマブ群で有意に高かった。
RR 1.40 (同1.24-1.59)、 p<0.001
著者らは、 「グセルクマブがIL-17阻害薬よりも高い治療継続率および寛解達成率を持つことを示し、 乾癬の疾患制御において有望な治療選択肢であることを明らかにした」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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