【BMJ Paediatr Open】小児の急性虫垂炎、抗菌薬が手術の代替となる可能性
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1年前

【BMJ Paediatr Open】小児の急性虫垂炎、抗菌薬が手術の代替となる可能性

【BMJ Paediatr Open】小児の急性虫垂炎、抗菌薬が手術の代替となる可能性
Picardらは、 小児の急性虫垂炎に対するアモキシシリン・クラブラン酸配合薬 (AMPC/CVA) の非手術的治療の有効性を後ろ向き研究で検討した。 その結果、 小児の急性虫垂炎に対するAMPC/CVAの初回奏効率は100%、 2年後の奏効率も85.6%となっており、 手術の代替治療となる可能性があることが示唆された。 本研究は、 BMJ Paediatr Open誌において発表された。 

📘原著論文

Non-operative treatment of acute appendicitis in children: clinical efficacy of amoxicillin-clavulanic acid in a retrospective single-centre study. BMJ Paediatr Open. 2023 Oct;7(1):e001855. PMID: 37793677

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

アカデミア的には、 タイトルのefficacyは強すぎる感があります。 研究内容としては単施設後ろ向き研究ですので、 有効性は言い過ぎです。 今回の場合にはImpactとかEffectと言ったかなり抽象的な言葉の方がより適切です。 適切なタイトルかどうかは雑誌の質に大きく関わってきます。

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背景

合併症のない小児の急性虫垂炎に対する非手術的治療の奏効率は65~95%と幅があり、 適切な抗菌薬治療に関する推奨もいまだ確立されていない。

研究デザイン

対象

急性虫垂炎で入院し、 AMPC/CVAによる治療を受けた5~15歳の小児患者:104例

選択基準

  • 腹痛のある初発の急性虫垂炎
  • X線検査や超音波検査で結石、 穿孔、 骨盤膿瘍、 腹膜炎の所見がない
  • 敗血症ではない

介入

AMPC/CVA (80mg/kg/日) を静脈内に48時間投与後、 7日間経口投与した。

主要評価項目

AMPC/CVAによる治療から2年後の奏効率

研究結果

初回奏効率

AMPC/CVAによる初回奏効率は100% (104例中104例) であった。

2年後の奏効率

2年後の奏効率は85.6% (104例中89例) であった。

切除術を受けた患者の解析

虫垂炎再発後に切除術を受けた15例のうち、 腹膜炎、 穿孔、 骨盤膿瘍を呈した患者はいなかった。

結論

AMPC/CVAによる非手術的治療は、 小児の急性虫垂炎に対して手術の代替治療となる可能性がある。 これらの結果を確認するために、 現在進行中の研究の結果を待つ必要がある。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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