海外ジャーナルクラブ
20日前

Illerhausらは初発の免疫正常な原発性中枢神経系リンパ腫 (PCNSL) を対象に、 MATRix導入療法後の地固めとしての高用量化学療法併用自家造血幹細胞移植 (HCT-ASCT) およびリツキシマブ併用非骨髄破壊的化学免疫療法であるR-DeVICについて、 非盲検無作為化比較試験 (MATRix/IELSG43) で検討した。 その結果、 3年無増悪生存率 (PFS) はHCT-ASCT群で有意に高率であった (78% vs 51%)。 地固め療法後の致死的重篤有害事象はHCT-ASCT群で5例、 R-DeVIC群で2例に認められた。 試験結果はLancet誌に発表された。
本研究の生存率は、 346例中229例 (66%) の導入療法反応例のみを対象としており、 結果を全患者へ一般化することはできません。
【解説】中枢神経系原発悪性リンパ腫EHA-ESMO診療ガイドライン
原発性中枢神経系リンパ腫 (PCNSL) の地固め療法には高用量化学療法併用自家造血幹細胞移植 (HCT-ASCT) が用いられるが、 非骨髄破壊的化学免疫療法と比較した有効性は依然として不確実であった。
本試験は初発PCNSLへの均一なMATRix導入療法後の地固めとして、 チオテパベースのHCT-ASCTと非骨髄破壊的R-DeVICの有効性・安全性を検証することを目的とした。
本試験は、 欧州5ヵ国56施設で実施された第Ⅲ相の非盲検無作為化比較試験である。 対象は未治療で免疫正常なB細胞性PCNSL患者で、 18~65歳はECOG PSを問わず、 66~70歳はECOG PS 0~2を組入れ基準とした*。
患者はリツキシマブ・高用量シタラビン・チオテパに高用量メトトレキサートを加えたMATRix導入療法を4サイクル受け、 部分奏効を達成した患者を以下の2群へ割り付けた。
主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS) で、 組入れ基準の重大な逸脱例を除いた最大の解析対象集団 (full analysis set) で評価した。 安全性解析対象は治療を開始した全無作為化例とした。
追跡期間中央値45.3ヵ月で、 3年PFSはHCT-ASCT群で有意に高かった。
3年PFS
HR 0.43 (95%CI 0.27-0.68、 p=0.0003)
有害事象および致死的重篤有害事象は、 HCT-ASCT群で多く発生した。
患者1例あたり平均有害事象件数
地固め療法後の致死的重篤有害事象
著者らは、 「未治療PCNSLで最大規模の無作為化試験において、 HCT-ASCTは導入療法を完遂した患者で非骨髄破壊的地固め療法と比較しPFSおよび全生存を有意に改善し、 適格患者で推奨される地固め戦略として確立された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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