【Gastroenterology】ピロリ菌感染率、 過去30年間で成人は低下するも青少年は変わらず
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【Gastroenterology】ピロリ菌感染率、 過去30年間で成人は低下するも青少年は変わらず

【Gastroenterology】ピロリ菌感染率、 過去30年間で成人は低下するも青少年は変わらず
Chenらは、 成人および小児・青年期におけるHelicobacter pylori (H. pylori) 感染の世界的有病率と胃癌発生率の関連を、 系統的レビューとメタ解析を用いて検討した。 その結果、 特に成人の有病率が過去30年間で低下していた一方で、 小児・青年期では低下していないことが明らかとなった。 本研究はGastroenterology誌において発表された。

📘原著論文

Global prevalence of Helicobacter pylori infection and incidence of gastric cancer between 1980 and 2022. Gastroenterology. 2024 Jan 2:S0016-5085(23)05687-1. PMID: 38176660

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

H. pylori感染の世界的有病率が成人では過去30年間で低下し、 小児・青年期では低下していなかったという報告ですので、 今後の有病率の変化がそれを反映した結果になるのかどうか注目です。


研究デザイン

対象

成人及び小児・青年期のH. pylori感染者

方法

系統的レビューとメタ解析

主要評価項目

H. pylori感染の有病率

副次評価項目

胃癌の発生率

研究結果

H. pylori感染の粗有病率

  • 1990年以前の成人 : 52.6% (95%CI 49.6-55.6%)
  • 2015-2022年の成人 : 43.9% (同42.3-45.5%)
  • 2015-2022年の小児・青年期 : 35.1% (同30.5-40.1%)

過去30年間のH. pylori感染の有病率

  • 成人で15.9% (95%CI : -20.5~-11.3) 低下
  • 小児・青年期で低下せず

H. pylori有病率の地域的な傾向

  • 西太平洋、 東南アジア、 アフリカ地域の成人では、 H. pylori有病率の有意な低下が観察された。 しかし、 WHOのどの地域でも、 小児および思春期におけるピロリ菌有病率の有意な低下は認められなかった。

胃癌発生率の世界的傾向

  • 胃癌の発生率は世界的に、 およびH. pyloriの有病率が低下したさまざまな国で低下していた。

結論

H. pylori感染の世界的有病率は、 特に成人において過去30年間で低下している一方、 小児・青年期では低下していなかった。 この結果から、 H. pylori感染の有病率を低下させることが胃癌発生率の低下に寄与すると考えられる。 公衆衛生上の重要な戦略として、 さらなる大規模臨床試験での検証が望まれる。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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