海外ジャーナルクラブ
2年前
Hansenらは、 白血球除去療法を受けた再発/難治性多発性骨髄腫 (RRMM) 患者を対象に、 B細胞成熟抗原標的キメラ抗原受容体T細胞療法 (ide-cel) の臨床転帰を検討。 その結果、 75%の患者が第Ⅱ相試験の適格基準を満たさなかったが、 RRMM患者におけるide-celの安全性と有効性は第Ⅱ相試験と同等であった。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
ある限定された患者群で安全性と有効性が示された治療方法をreal-world dataでも再評価した素晴らしい研究成果です。 タイミングさえうまくいけばどの領域でも可能な研究デザインであると言えます。
ide-celは、 B細胞成熟抗原を標的とするキメラ抗原受容体T細胞療法で、 RRMMに対して第Ⅱ相ピボタル試験 (KARMMa試験) で承認されており、 最良総合効果達成率は73%、 ≧完全奏効率 (CR) は33%であることが確認されている。
米国の11施設でSOC ide-celの投与を意図して白血球除去療法を受けたRRMM患者から後ろ向きにデータを収集。
米国移植・細胞治療学会のガイドラインに従って等級付けし、 各施設の方針に従って管理した。
国際骨髄腫ワーキンググループの奏効基準に基づいて評価された。
196人の白血球投与患者のうち、 データカットオフまでに159人がide-celの投与を受けた。 120人(75%)の患者は、 白血球交換時に合併症があったため、 第Ⅱ相KarMMa試験の参加に不適格と考えられた。
最良総合効果達成率:84%
≧CR:42%
追跡調査期間中央値6.1カ月でのPFS中央値:8.5カ月
OS中央値:12.5カ月
多変量解析の結果、 B細胞成熟抗原標的治療への曝露歴のある患者、 細胞遺伝学的高リスク、 リンパ球枯渇時のECOG PS≧2、 および若年齢者では、 PFSが劣ることが示された。
サイトカイン放出症候群
全グレード:82%
グレード3以上:3%
神経毒性
全グレード:18
グレード3以上:6%
75%が第Ⅱ相KarMMa試験の適格基準を満たさないにもかかわらず、 RRMM患者におけるide-celの安全性と有効性は、 第Ⅱ相KarMMa試験と同等であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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