NASH新名称 医師6割 「知らない」(HOKUTO会員医師395人アンケート)
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HOKUTO通信

6ヶ月前

NASH新名称 医師6割 「知らない」(HOKUTO会員医師395人アンケート)

NASH新名称 医師6割 「知らない」(HOKUTO会員医師395人アンケート)
非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease) と非アルコール性脂肪肝炎 (NASH:nonalcoholic steatohepatitis) の新たな名称について、  消化器内科と一般内科の医師のうち約6割が把握していないことが、 HOKUTO編集部のアンケートで明らかとなった。

NAFLD → MASLD、 NASH → MASHに

NAFLDとNASHなど脂肪性肝疾患の病名を変更については、 今年6月に欧州肝臓学会 (EASL)、 米国肝臓病学会 (AASLD)、 ラテンアメリカ肝疾患研究協会 (ALEH) が合同で発表。 日本肝臓学会と日本消化器病学会が今年9月、 こういった海外の動きに賛同する声明を公表した。

具体的には、 脂肪性肝疾患全てを「steatotic liver disease (SLD)」と総称し、 NAFLDとNASHは、 肥満、 糖尿病、 脂質異常症、 高血圧を伴うメタボリック症候群の基準を満たす場合に限定して、 それぞれ「metabolic dysfunction associated steatotic liver disease (MASLD、 マッスルディー)」と「metabolic dysfunction associated steatohepatitis (MASH、 マッシュ)」と診断する。

NASH新名称 医師6割 「知らない」(HOKUTO会員医師395人アンケート)

HOKUTO会員395人が回答

アンケートは10月16~22日、 アプリ上で実施。 HOKUTOに「消化器内科」または 「一般内科」 で登録している医師に 「病名変更を知っており、 新名称も知っている」 「病名変更は知っているが、 新名称は知らない」 「病名変更を知らない」 の3択で尋ね、 395人から回答を得た。

  • 病名変更と新名称を知っている 42.5%
  • 病名変更は知っているが、 新名称は知らない 30.1%
  • 病名変更を知らない 27.3%

病名変更も新名称も知っている医師は約4割にとどまっており、 今後の浸透が課題といえそうだ。

日本語訳は今後決定 「メタボとの関連が分かる名称に」

海外では、 アルコール性肝疾患についても、 従来の「alcohol-associated (alcohol-related) liver disease (ALD) 」 に加え、 飲酒量がアルコール性肝疾患とNAFLDの中間で、 メタボリック症候群の基準の一部をも満たす場合は 「MetALD」 、 NAFLDでメタボリック症候群の基準のいずれも満たさない場合は「cryptogenic SLD」と診断するとしている。

日本肝臓学会と日本消化器病学会は今後、 病名変更に合わせた日本語訳を検討する。 メタボリック症候群と関連が深いことがわかる名称にする方針だという。 診療ガイドラインも新たな病名や分類に沿った形で今後改訂される予定。

名称変更の理由

海外学会が名称を変更した理由は、 元の英語名に含まれる単語 alcoholic が 「飲んだくれ」、 fatty が 「太っちょ」 を意味し、 差別的な不適切用語だとみなされると判断したため。 名称変更を巡っては、 最近では日本糖尿病学会が糖尿病を 「ダイアベティス」 とする案を公表している。

関連資料

日本肝臓学会:NAFLD、NASH の病名変更

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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