海外ジャーナルクラブ
13日前
田中らは、 日本の医薬品副作用データベース (JADER) を用いたデータベース研究で、 アルツハイマー病患者の多剤併用による有害事象 (AE) リスクを調査した。 対象は、 2004年4月~20年6月にJADERに記録され、 治療薬としてアセチルコリンエステラーゼ (AChE) 阻害薬 (ドネペジル、 ガランタミン、 リバスチグミン) またはNMDA受容体拮抗薬 (メマンチン) を服用していた60歳以上のアルツハイマー病患者2,653例 (5剤以上併用47.7%) とした。その結果、 有害事象の発生頻度は、 徐脈6.4%、 肺炎4.6%、 意識変容3.6%、 発作3.5%、 食欲減退3.5%、 嘔吐3.5%、 意識喪失3.4%、 骨折3.4%、 心不全3.2%、 転倒3.0%であった。 メマンチンとAChE阻害薬の併用で徐脈のリスクが増加し、 ドネペジル単独で骨折と転倒のリスクが減少した。 薬剤なしと比較した5剤以上併用の調整オッズ比は、 意識変容10.45、 食欲減退7.92、 嘔吐4.74、 転倒5.95であった。
Association between Polypharmacy and Adverse Events in Patients with Alzheimer's Disease: An Analysis of the Japanese Adverse Drug Event Report Database (JADER). Medicina (Kaunas). 2024 Oct 6;60(10):1633. PMID: 39459419
データベース研究のため、 アルツハイマー病の程度や元々のperformance statusなどは調整できていないようです。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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