海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の堀之内秀仁氏らの研究グループは、 c-Metタンパク質を過剰発現するEGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性NSCLC患者を対象に、 抗c-MET抗体薬物複合体telisotuzumab vedotinとオシメルチニブ併用療法の有効性および安全性を第Ⅰ/Ⅰb相試験で検討した。 その結果、 本併用療法は有望な抗腫瘍効果を示し、 安全性も管理可能であることが明らかとなった。 本研究はAnn Oncol誌において発表された。
要所に出てくる"promising, address an unmet need"の言葉から、 本研究の今後が大きく期待されます。
オシメルチニブは、 EGFR (上皮成長因子受容体) 変異陽性の進行NSCLC (非小細胞肺癌) に対する標準的な1次治療であるが、 治療耐性が生じる。 特にc-Metタンパク質の発現上昇は抵抗性と相関する。 Telisotuzumab vedotin (Teliso-V) はc-Metタンパク質過剰発現を標的とする抗体薬物複合体であり、 本研究では第Ⅰ/Ⅰb相試験により、 オシメルチニブ治療後に進行したNSCLC患者におけるTeliso-Vとオシメルチニブ併用療法の有効性と安全性を評価した。
同試験の対象は、 オシメルチニブ投与で進行した、 EGFR遺伝子変異陽性かつc-Metタンパク質過剰発現の進行性非扁平上皮NSCLC患者。登録患者には、 Teliso-V (2週間ごとに静脈投与) とオシメルチニブ (80 mg、 1日1回経口投与) が投与された。 Teliso-Vは、 安全性導入段階において1.6 mg/kgで評価、 1.9mg/kgへ増量され、 両用量のどちらも使用された。 評価項目は、 安全性および忍容性、 薬物動態、 客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DOR)、 無増悪生存期間 (PFS) であった。
解析対象者は、 38例 (Teliso-V 1.6 mg/kg群 : 20例、 1.9 mg/kg群 : 18例) であった。 用量制限毒性は認められなかった。 すべてのグレードの治療関連有害事象 (TEAE) のうち、 最も多かったのは末梢性感覚ニューロパチー (50%)、 末梢浮腫 (32%)、 悪心 (24%) であった。 グレード3/4のTEAEとして貧血 (11%) および肺塞栓症 (8%) が報告された。 死亡に至ったTEAE 5例はいずれもTeliso-Vまたはオシメルチニブとの関連は認められなかった。
Teliso-V+オシメルチニブの薬物動態プロファイルはTeliso-V単独療法と同様であった。
追跡期間中央値7.4ヵ月の後、 独立中央判定によるORRは50.0% (DORは未到達)、 PFS中央値は7.4ヵ月 (95%CI 5.4,NR) であった。
著者らは、 「Teliso-V+オシメルチニブ併用療法は、 c-Metタンパク質過剰発現を伴うEGFR変異陽性非扁平上皮NSCLC患者において、 有望な抗腫瘍効果を示し、 安全性も管理可能であった。 本併用療法は、 本患者集団におけるアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性がある 」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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