海外ジャーナルクラブ
1年前
Kurianらは、 Surveillance、Epidemiology、and End Resultsレジストリに登録された癌患者の情報を基に、 生殖細胞系列遺伝学的検査の実施状況とその結果を観察的研究で検討。 2013~19年に米国のカリフォルニア州とジョージア州で癌と診断された患者のうち、 生殖細胞系列遺伝子検査を受けたのは6.8%であり、 アジア系、 黒人、 ヒスパニック系患者において検査実施率が低いことが明らかとなった。 本研究はJAMA誌において発表された。
Germline Genetic Testing After Cancer Diagnosis. JAMA. 2023 Jun 5;e239526. PMID: 37276540
100~250ドルの私費でのコストが本検査の障壁となっているようです。
生殖細胞系列遺伝学的検査は、 遺伝学的標的治療を可能にし、 個別化された癌スクリーニングや予防から恩恵を受ける可能性のある親族を特定するために、 癌と診断された患者に対する診療ガイドラインで推奨されている。
2013年1月1日~19年3月31日に何らかの種類の癌と診断された20歳以上の患者
癌診断後2年以内に行われた生殖細胞遺伝学的検査の実施
カリフォルニア州とジョージア州で2013年から2019年の間に癌と診断された患者136万9,602人のうち、 2021年3月31日までに9万3,052人 (6.8%) が生殖細胞遺伝学的検査を受けた。
男性乳癌、 女性乳癌、 卵巣癌の患者の内、 生殖細胞遺伝学的検査を受けた患者の割合は、 非ヒスパニック系白人患者が31% (95%CI 30-31%) であったのに対し、 他の民族・人種では低く、 アジア系患者は22% (95%CI 21-22%)、 黒人患者は25% (95%CI 24-25%)、 ヒスパニック患者は23% (95%CI 23%-23%) であった (χ²検定のP<0.001)。
病原性バリアントの67.5~94.9%は、 診療ガイドラインが検査を推奨する遺伝子に同定され、 68.3~83.8%は診断されたがん種と関連する遺伝子で同定された。
2013~19年に米国のカリフォルニア州とジョージア州で癌と診断された患者のうち、 生殖細胞系列遺伝子検査を受けたのはわずか6.8%であった。 非ヒスパニック系白人患者と比較して、 アジア系、 黒人、 ヒスパニック系患者の検査実施率は低かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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