【NEJM】生化学的再発をきたした前立腺癌、エンザルタミドで転帰改善:第Ⅲ相EMBARK
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【NEJM】生化学的再発をきたした前立腺癌、エンザルタミドで転帰改善:第Ⅲ相EMBARK

【NEJM】生化学的再発をきたした前立腺癌、エンザルタミドで転帰改善:第Ⅲ相EMBARK
Freedlandらは、 高リスクの生化学的再発をきたした前立腺癌患者を対象に、 エンザルタミドの有効性と安全性を第Ⅲ相試験EMBARKで検討した。 その結果、 エンザルタミド+leuprolide併用療法およびエンザルタミド単独療法が、 leuprolide単独療法に比べ、 無転移生存において優れていることが確認された。 本研究結果はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Improved Outcomes with Enzalutamide in Biochemically Recurrent Prostate Cancer. N Engl J Med. 2023 Oct 19;389(16):1453-1465. PMID: 37851874

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

理想的な (絵に描いたような) 結果が得られています。 コントロール群の無転移生存率が71%と非常に高い中、 介入群が80%, 87%と有意差を証明しています。 サンプルサイズの計算の際の死亡+転移が197以上というところも妥当な想定でした。

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エンザルタミド

前立腺癌のTNM臨床病期分類

前立腺癌の病期分類 (UICC-8版)

前立腺がんのNCCNリスク分類

前立腺がんの予後予測

前立腺がんのD'Amicoリスク分類

前立腺がんの予後予測

背景

高リスクの生化学的再発をきたした前立腺癌患者は進行リスクが高い。 エンザルタミド+アンドロゲン除去療法およびエンザルタミド単剤療法のアンドロゲン除去療法単独と比較した場合の有効性と安全性は明らかでない。

研究デザイン

対象

前立腺特異抗原 (PSA) 倍加時間9ヵ月以下の高リスク生化学的再発をきたした前立腺癌患者

介入

患者を以下の群に1:1:1の割合で割り付けた。

  • エンザルタミド併用群:355例
エンザルタミド (160mg) 1日1回+leuprolideを12週ごとに投与
  • エンザルタミド単剤療法群:355例
エンザルタミド単剤を投与
  • leuprolide単独群:358例
プラセボ+leuprolideを投与

主要評価項目

leuprolide単独群と比較した併用群の無転移生存

副次評価項目

leuprolide単独群と比較した単剤療法群の無転移生存

研究結果

有効性評価

5年時点の無転移生存率

  • エンザルタミド併用群:87.3% (95%CI 83.0-90.6%)
  • エンザルタミド単剤療法群:80.0% (95%CI 75.0-84.1%)
  • leuprolide単独群:71.4% (95%CI 65.7-76.3%)

エンザルタミド併用群とleuprolide単独群の比較

エンザルタミド併用群は、 leuprolide単独群に対し、 無転移生存に関して優越性を示した。

転移または死亡のHR 0.42、 95%CI 0.30-0.61、 p<0.001

エンザルタミド単剤療法とleuprolide単独群の比較

エンザルタミド単剤療法も、 leuprolide単独群に対し、 無転移生存に関して優越性を示した。

転移または死亡のHR 0.63、 95%CI 0.46-0.87、 p=0.005

安全性評価

新たな安全性シグナルは認められず、 QOLの指標に有意な群間差はなかった。

結論

高リスクの生化学的再発を持つ前立腺癌患者において、 エンザルタミド+leuprolide併用療法およびエンザルタミド単独療法は、 無転移生存においてleuprolide単独療法よりも優越性を示した。 エンザルタミドの安全性プロファイルは先行する臨床試験の結果と一致し、 QOLへの明らかな有害影響は認められなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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