未治療の切除不能な局所進行性または転移性胆道癌において、 ゲムシタビン (GEM) +シスプラチン (CDDP) 併用療法へのペムブロリズマブ上乗せ効果をGEM+CDDP単独を対照に検証した二重盲検第III相ランダム化比較試験KEYNOTE-966の結果より、 全生存期間 (OS) のに対する有効性が示された。
原著論文
▼解析結果
Pembrolizumab in combination with gemcitabine and cisplatin compared with gemcitabine and cisplatin alone for patients with advanced biliary tract cancer (KEYNOTE-966): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2023 Jun 3;401(10391):1853-1865. PMID: 37075781
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KEYNOTE-966試験の概要
対象
未治療の切除不能な局所進行性または転移性胆道癌
方法
1,069例を以下の2群に1:1で割り付けた。
ペムブロリズマブ200mgを3週毎に投与+ゲムシタビン1,000mg/m²とシスプラチン25mg/m²をda1,8に投与、 3週サイクル
プラセボを3週毎に投与+ゲムシタビン1,000mg/m²とシスプラチン25mg/m²をda1,8に投与、 3週サイクル
ペムブロリズマブとプラセボは35サイクルまで、 シスプラチンは8サイクルまで、 ゲムシタビンのサイクル数には制限はなかった。
評価項目
主要評価項目:OS
副次評価項目:無増悪生存期間 (PFS)、 奏効率 (ORR)、 奏効期間
KEYNOTE-966試験の結果
患者背景
- 両群で同様であった。
- 年齢中央値は63.0-64.0歳、 男性は51-53%、 アジア人は46-47%、 転移性胆道癌は88-89%
追跡期間中央値
主要評価項目:25.6ヵ月
副次評価項目:13.6ヵ月
治療期間中央値
- ペムブロリズマブ群:6.37ヵ月
- プラセボ群:5.54ヵ月
OS中央値
(95%CI 11.5-13.6ヵ月)
(95%CI 9.9-11.6ヵ月)
HR 0.83 (95%CI 0.72-0.95)、 p=0.0034
OS率 (12ヵ月時、 24ヵ月時)
- ペムブロリズマブ群:52%、 25%
- プラセボ群:44%、 18%
PFS中央値
(95%CI 5.7-6.9ヵ月)
(95%CI 5.1-6.6ヵ月)
HR 0.86 (95%CI 0.75-1.00)、 p=0.023
PFS率 (6ヵ月時、 12ヵ月時)
- ペムブロリズマブ群:52%、 25%
- プラセボ群:46%、 20%
ORR
(95%CI 25-33%)
(95%CI 25-33%)
奏効期間 (中央値)
(95%CI 6.9–12.2ヵ月)
(95%CI 5.7–8.2ヵ月)
EORTC QLQ-C30のglobal health status QOL尺度のベースラインから18週目までの変化
ベースラインから18週目までの最小二乗平均の変化量は両群とも-2.5であった (最小二乗平均値の差は0.0) 。
有害事象 (AE)
治療関連AE (グレード3、 4、 5) の発現率
- ペムブロリズマブ群:54%、 25%、 6%
- プラセボ群:51%、 24%、 9%
グレード3-4の治療関連AE、 免疫介在性AE/infusion reactionの発現率
- ペムブロリズマブ群:70%、 7%
- プラセボ群:69%、 4%
著者らの結論
未治療の切除不能な局所進行性または転移性胆道癌において、 ペムブロリズマブとGEM+CDDPの併用療法は、 GEM+CDDP単独療法と比較し、 OSを有意に延長させることが示された。