海外ジャーナルクラブ
1年前
Jungらは、 I-ⅢA期のEGFR陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 血中循環腫瘍DNA (ctDNA) の長期モニタリングの実施可能性と有効性を検討。 その結果、 術前にctDNA陽性または微小残存病変 (MRD) 陽性であった患者は無病生存期間 (DFS) の予後不良と関連しており、 ctDNAの長期モニタリングが早期再発の検出に有効である可能性が示唆された。 本研究はJ Thorac Oncol誌において発表された。
Abstractの結論には、 suggestとmight be usefulの表現を使用して非常に弱い仮説の提唱となっています。 アカデミアの観点からは非常に適切な表現であり、 今後のさらなる研究成果が待たれます。
2015年8月~2017年10月に治癒切除されたI-ⅢA期EGFR陽性NSCLC患者 278例
ctDNAの長期モニタリング (droplet digital PCR法) を、 ①ベースライン (術前)、 ②根治手術の4週間後 (術後)、 および③プロトコールに従い5年後まで実施した。 患者は以下の3群に分類された。
【A群】術前ctDNA(-) 211例
【B群】術前ctDNA(+) / 術後MRD(-) 51例
【C群】術前ctDNA(+) / 術後MRD(+) 16例
DFS、 ctDNAの長期モニタリングの感度
3群間で有意差を認めた (P=0.02)
【A群】84%
【B群】78%
【C群】50%
臨床病理学的変数で調整後も、 ctDNAが、 病期 (P<0.001) 、 微小乳頭亜型 (P=0.02) と並び、 DFSの独立した危険因子であった。
ctDNAの長期モニタリングの結果、 エクソン19欠失変異患者の69%およびL858R変異患者の20%において、 放射線学的再発前にMRDが検出された。
根治切除されたI-ⅢA期のEGFR陽性NSCLCにおいて、 ベースライン時 (術前) にctDNA陽性またはMRD陽性であった患者はDFSの予後不良と関連していた。 ctDNAの長期的なモニタリングが、 放射線学的再発前の早期検出に有効である可能性が示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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