【Blood】EZH1/2阻害薬 「バレメトスタット」、 ATLの治療に有望か
著者

海外ジャーナルクラブ

2年前

【Blood】EZH1/2阻害薬 「バレメトスタット」、 ATLの治療に有望か

【Blood】EZH1/2阻害薬 「バレメトスタット」、 ATLの治療に有望か
Izutsuらは, 前治療歴がある成人T細胞白血病/リンパ腫 (ATL) 患者を対象に, EZH1/2阻害剤バレメトスタットの有効性と安全性を検討する多施設共同第Ⅱ相試験を実施. その結果, バレメトスタットは, 前治療歴の長いATL患者において有望な有効性と忍容性を示した. 本研究は, Blood誌において発表された. 

📘原著論文

An Open-Label, Single-Arm, Phase 2 Trial of Valemetostat in Relapsed or Refractory Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma.Blood. 2022 Sep 23;blood.2022016862.PMID: 36150143

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

作用機序, 長期転帰などの細かな懸念があるかと思いますが, 全奏効率48%かつ日本人のデータであることから, 今後のさらなる臨床成果が期待されます.

🔢関連コンテンツ

ATL臨床病型の診断基準

成人T細胞白血病・リンパ腫の診断基準

simplified ATL-PI

急性型、リンパ腫型ATLの予後リスク

背景

成人ATLは, 予後不良のアグレッシブホジキンリンパ腫であり, 再発・難治性の患者に対する治療選択肢はほとんどない.

研究デザイン

対象と方法

R/RアグレッシブATL患者25名で、 疾患が進行するか, 許容できない毒性が現れるまで, バレメトスタット 200mg/日を投与した.

評価項目

主要評価項目:全奏功率 (ORR)

副次評価項目:疾患領域における最良の奏効, 奏効期間 (DOR), 薬物動態, および安全性.

研究結果

有効性評価

主要評価項目のORRは48.0% (90%CI, 30.5%-65.9%) で達成された.

  • 完全寛解:5例
  • 部分寛解:7例

モガムリズマブによる前治療を受けた患者のORRは45.8%であった.

  • 完全寛解:4例
  • 部分寛解:7例

DOR中央値は未到達であった (NR, 95%CI 1.87カ月-NR)

安全誌評価

治療藥投与下で発生した有害事象 (TEAE) は管理可能であった.

20%以上の患者に発生した有害事象

  • 血小板減少, 貧血, 脱毛症, 味覚障害, 好中球減少, リンパ球減少, 白血球減少, 食欲減退, 発熱など.

グレード3以上の有害事象

  • 血小板減少症, 貧血, リンパ球減少症, 白血球減少症, 好中球減少症など.

結論

バレメトスタットは, 前治療歴の長い患者において有望な有効性と忍容性を示した. R/R ATLの治療において更なる検討を行う必要がある.

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【Blood】EZH1/2阻害薬 「バレメトスタット」、 ATLの治療に有望か