海外ジャーナルクラブ
2年前
Izutsuらは, 前治療歴がある成人T細胞白血病/リンパ腫 (ATL) 患者を対象に, EZH1/2阻害剤バレメトスタットの有効性と安全性を検討する多施設共同第Ⅱ相試験を実施. その結果, バレメトスタットは, 前治療歴の長いATL患者において有望な有効性と忍容性を示した. 本研究は, Blood誌において発表された.
作用機序, 長期転帰などの細かな懸念があるかと思いますが, 全奏効率48%かつ日本人のデータであることから, 今後のさらなる臨床成果が期待されます.
成人ATLは, 予後不良のアグレッシブホジキンリンパ腫であり, 再発・難治性の患者に対する治療選択肢はほとんどない.
R/RアグレッシブATL患者25名で、 疾患が進行するか, 許容できない毒性が現れるまで, バレメトスタット 200mg/日を投与した.
主要評価項目:全奏功率 (ORR)
副次評価項目:疾患領域における最良の奏効, 奏効期間 (DOR), 薬物動態, および安全性.
主要評価項目のORRは48.0% (90%CI, 30.5%-65.9%) で達成された.
モガムリズマブによる前治療を受けた患者のORRは45.8%であった.
DOR中央値は未到達であった (NR, 95%CI 1.87カ月-NR)
治療藥投与下で発生した有害事象 (TEAE) は管理可能であった.
20%以上の患者に発生した有害事象
グレード3以上の有害事象
バレメトスタットは, 前治療歴の長い患者において有望な有効性と忍容性を示した. R/R ATLの治療において更なる検討を行う必要がある.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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