【BMJ Open】術後せん妄予防にメラトニンが有望:系統的レビュー・メタ解析
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【BMJ Open】術後せん妄予防にメラトニンが有望:系統的レビュー・メタ解析

【BMJ Open】術後せん妄予防にメラトニンが有望:系統的レビュー・メタ解析
Barnesらは、 術後せん妄 (POD) に対するメラトニン投与の効果を系統的レビューおよびメタ解析で検討。 その結果、 メラトニンはPODの予防薬として有望であることが示された。 一方、 対象となった研究は、 方法論と結果報告に一貫性がないことも示された。 本研究はBMJ Open誌において発表された。 

📘原著論文

Does melatonin administration reduce the incidence of postoperative delirium in adults? Systematic review and meta-analysis.BMJ Open. 2023 Mar 29;13(3):e069950.PMID: 36990485

監修医師のコメント

本文のlimitationには、 heterogeneityとinconsistencyの言葉が頻回に記載されています。 これは査読により多くの指摘を受けた傷跡を物語っています。 また、 IncludeされたRCTのn数をみると小規模の研究ばかりで、 今後この大変興味深いテーマでのRCTをやってみるのは大きなチャンスです。

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CAM-ICU

ICU患者のせん妄評価方法

PRE-DELIRIC (2014年修正版)

ICU患者のせん妄発症リスク

PRE-DELIRIC (2012年オリジナル版)

ICU患者のせん妄発症リスク

背景

術後せん妄は一般的であり、 罹患率や死亡率の上昇と関連している。 多くの症例は予防可能であり、 メラトニンは予防薬として有望である。

研究デザイン

方法

複数のデータベース (EMBASE、 MEDLINE、 CINAHL、 PsycINFO) および臨床試験登録機関 (ClinicalTrials.org) で、 PODにおけるメラトニンのRCTを系統的に検索。

主要評価項目

PODの発症率

副次評価項目

PODの期間と入院期間

研究結果

解析対象

様々な外科専門分野の患者1244例を対象とした11の研究が含まれた。

投与された薬剤

7件の研究では、 メラトニンをさまざまな用量で使用し、 4件の研究ではメラトニン受容体作動薬ラメルテオンを使用していた。

バイアスリスクの評価

PODの診断には8つの異なる診断ツールが使用された。 また、 評価の時点もさまざまであった。 その結果、 6件の研究はバイアスのリスクが低いと評価され、 5件は何らかの懸念があると評価された。

POD発症の複合OR

メラトニン群と対照群のPOD発症の複合ORは0.41 (95%CI 0.21-0.80、 P=0.01) であった。

結論

メラトニンが手術を受ける成人のPODの発生率を低下させる可能性が示された。 しかし、 対象となった研究は、 その方法論と結果報告に一貫性がないことが示された。 メラトニン投与の最適なレジメを決定するためのさらなる作業と、 結果を評価する最良の方法についてのコンセンサスが必要である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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