海外ジャーナルクラブ
2年前
Barnesらは、 術後せん妄 (POD) に対するメラトニン投与の効果を系統的レビューおよびメタ解析で検討。 その結果、 メラトニンはPODの予防薬として有望であることが示された。 一方、 対象となった研究は、 方法論と結果報告に一貫性がないことも示された。 本研究はBMJ Open誌において発表された。
本文のlimitationには、 heterogeneityとinconsistencyの言葉が頻回に記載されています。 これは査読により多くの指摘を受けた傷跡を物語っています。 また、 IncludeされたRCTのn数をみると小規模の研究ばかりで、 今後この大変興味深いテーマでのRCTをやってみるのは大きなチャンスです。
術後せん妄は一般的であり、 罹患率や死亡率の上昇と関連している。 多くの症例は予防可能であり、 メラトニンは予防薬として有望である。
複数のデータベース (EMBASE、 MEDLINE、 CINAHL、 PsycINFO) および臨床試験登録機関 (ClinicalTrials.org) で、 PODにおけるメラトニンのRCTを系統的に検索。
PODの発症率
PODの期間と入院期間
様々な外科専門分野の患者1244例を対象とした11の研究が含まれた。
7件の研究では、 メラトニンをさまざまな用量で使用し、 4件の研究ではメラトニン受容体作動薬ラメルテオンを使用していた。
PODの診断には8つの異なる診断ツールが使用された。 また、 評価の時点もさまざまであった。 その結果、 6件の研究はバイアスのリスクが低いと評価され、 5件は何らかの懸念があると評価された。
メラトニン群と対照群のPOD発症の複合ORは0.41 (95%CI 0.21-0.80、 P=0.01) であった。
メラトニンが手術を受ける成人のPODの発生率を低下させる可能性が示された。 しかし、 対象となった研究は、 その方法論と結果報告に一貫性がないことが示された。 メラトニン投与の最適なレジメを決定するためのさらなる作業と、 結果を評価する最良の方法についてのコンセンサスが必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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