HOKUTO編集部
4ヶ月前
Felipらは、 びまん性胸膜中皮腫 (DPM) 患者を対象に、 ベバシズマブ+化学療法にアテゾリズマブを追加した3剤併用療法の有効性と安全性を国際第III相無作為化比較試験 (BEAT-meso) で検討した。その結果、 全生存期間 (OS) の有意な改善は認められなかった。 本研究はAnn Oncolにて発表された。
OSはp=0.14であり、 "a numerical but not significant increase in median OS"という新たな表現で 「数値的な、 でも有意ではない」 増加としています。
DPMの標準治療は、 イピリムマブ+ニボルマブ、 または白金製剤+ペメトレキセドである。
これまでに、 化学療法にベバシズマブを追加することでOSが改善することが示されており¹⁾、 化学療法、 ベバシズマブにアテゾリズマブを追加した3剤併用療法が有効な可能性がある。
BEAT-meso試験では、登録患者400例が、 1次治療としてアテゾリズマブ+ベバシズマブ+標準化学療法(カルボプラチン、 ペメトレキセド)の3剤併用療法を行う群 (ABC群) とベバシズマブ+標準化学療法 (BC群) に無作為に割り付けられた。 層別化因子は組織型と病期だった。
主要評価項目は、 全患者におけるOSであり、 29%の相対利益を目標とした (HR=0.708)。無増悪生存期間 (PFS)、 有害事象、 症状特異的QoLおよびglobalQoLについても評価した。
追跡期間中央値は35ヵ月で、 患者背景はECOG PS 1が65%、 上皮型が78%を占めた。
OSとPFSの結果は以下のとおり。ABC群ではBC群に比べて、PFSの有意な延長を認めたもののは、 OSの有意な改善は認められず、主要目標は達成されなかった。
OS中央値
HR 0.84 (95%CI 0.66-1.06)、 p=0.14
PFS中央値
HR 0.72 (95%CI 0.59-0.89)、 p=0.0021
組織型に注目すると、 PFS・OSともに有意な治療交互作用を示した。 OSのHRは以下の通りであった。
交互作用 p=0.012
グレード3以上の治療関連有害事象の発現率は、 ABC群では55%、 BC群では47%だった。
QOLはABC群で維持され、 BC群との臨床的に意味のある差は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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