海外ジャーナルクラブ
1年前

Školoudíkらは、 頸動脈内膜剥離術の患者を対象に、 sonolysis (ソノライシス) の有効性および安全性を、 模擬処置を対照として多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験SONOBIRDIEで検討した。 その結果、 ソノライシスにより30日以内の脳梗塞、 一過性脳虚血発作、 死亡の複合発生率が有意に低下し、 その必要性が示唆された。 研究結果はBMJ誌に発表された。
ソノライシスとは、 超音波を利用して液体中の化学物質を分解または変化させる、 つまり血栓を溶解させる手法です。
重度の頸動脈狭窄症に対して頸動脈内膜剥離術が頻繁に実施されるが、 主に血栓塞栓症による脳卒中および無症候性脳梗塞などが合併症として知られている。 安全な実施にはこの合併症を最小限に抑えることが重要である。
そこで、 頸動脈内膜剥離術中のソノライシスにより上記の周術期脳血管イベントリスクが軽減されるという仮説を立て、 第Ⅲ相試験SONOBIRDIEで評価した。
欧州16施設で頸動脈内膜剥離術を受けた患者1,004例が以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は、 30日以内の虚血性脳卒中、 一過性脳虚血発作および死亡の複合発生率とした。 脳MRIにおける新たな虚血病変の発生率をサブスタディの主な評価項目とし、 頭蓋内出血の発生率を主な安全性評価項目とした。
主要評価項目である30日以内の脳梗塞、 一過性脳虚血発作および死亡の複合発生率は、 ソノライシス群が2.2%で、 模擬処置群の7.6%と比べて有意に低下した (リスク差-5.5%㌽ [95%CI -8.3~-2.8%㌽]、 p<0.001)。
サブスタディの主な評価項目である脳MRIにおける新たな虚血病変の発生率でも、 ソノライシス群が8.5%で、 模擬処置群の17.4%と比べて有意に低下した (リスク差 -8.9%㌽ [95%CI -15~-2.8%㌽]、 p=0.004)。
また、 感度分析では、 ソノライシス群で模擬処置群と比べて30日以内の脳梗塞 (HR 0.25 [95%CI 0.11-0.56]) および一過性脳虚血発作 (HR 0.23 [95%CI 0.07-0.73] ) の発症リスクが有意に低下した (p<0.05)。
ソノライシス群の94.4%で、 処置後30日以内に重篤な有害事象は報告されなかった。
著者らは 「ソノライシスは頸動脈内膜剥離術を受けた患者にとって安全であり、 30日以内の脳梗塞、 一過性脳虚血発作、 死亡の複合発生率が有意に低下した。 本試験の結果は、 頸動脈内膜剥離術中の周術期脳血管イベントリスクを軽減するためにソノライシスが必要であることを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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