海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Al-Sawaf氏らは、 慢性リンパ性白血病 (CLL) からリヒター形質転換 (RT) をきたした患者 (リヒター症候群) を対象に、 抗PD-1抗体tislelizumabとBTK阻害薬zanubrutinibの併用療法の効果について、 第Ⅱ相国際前向き非盲検試験RT1を用いて検討した。 その結果、 tislelizumabとzanubrutinibの併用はRT患者に対して有効かつ忍容性の高い治療戦略であることが示された。 本研究はNat Medにおいて発表された。
NatureグループもNatureを筆頭に、 本研究掲載のNature Medicine、 さらに最近非常に見かけるNature Reviewsシリーズと約70のNature関連雑誌があり、 ネイチャーと言ってもそのどの雑誌に掲載されているかまで見る必要があります。
🔢 NCCN-IPI
🔢 R-IPI
CLLからびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) やホジキンリンパ腫に形質転換したリヒター症候群は、 化学療法に対する反応性低下と生存期間短縮を伴い、 極めて予後不良であることが知られ、 通常の化学療法では治療が難しいとされている。
RTを伴う再発・難治性のCLL患者 : 59例
tislelizumabとzanubrutinibを12サイクル併用投与し、 治療に奏効した患者は両剤による維持療法を継続した。
6サイクル後の全奏効率 (ORR)
奏効期間、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)
ORR : 58.3% (うち完全奏効18.8%、 部分奏効39.6%)
奏効期間中央値
未到達であった。
PFS中央値
10.0ヵ月
12ヵ月時OS率
74.7%
多く認められた有害事象
感染症 (18.0%)、 胃腸障害 (13.0%)、 血液毒性 (11.4%)
tislelizumabとzanubrutinibの併用療法は、 リヒター症候群の患者に対する有効かつ忍容性の高い治療戦略となる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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