【Nat Med】リヒター症候群への抗PD-1抗体+BTK阻害薬で予後改善
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海外ジャーナルクラブ

4ヶ月前

【Nat Med】リヒター症候群への抗PD-1抗体+BTK阻害薬で予後改善

【Nat Med】リヒター症候群への抗PD-1抗体+BTK阻害薬で予後改善
Al-Sawaf氏らは、 慢性リンパ性白血病 (CLL) からリヒター形質転換 (RT) をきたした患者 (リヒター症候群) を対象に、 抗PD-1抗体tislelizumabとBTK阻害薬zanubrutinibの併用療法の効果について、 第Ⅱ相国際前向き非盲検試験RT1を用いて検討した。 その結果、 tislelizumabとzanubrutinibの併用はRT患者に対して有効かつ忍容性の高い治療戦略であることが示された。 本研究はNat Medにおいて発表された。

📘原著論文

Tislelizumab plus zanubrutinib for Richter transformation: the phase 2 RT1 trial. Nat Med. 2023 Dec 9. PMID: 38071379

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

NatureグループもNatureを筆頭に、 本研究掲載のNature Medicine、 さらに最近非常に見かけるNature Reviewsシリーズと約70のNature関連雑誌があり、 ネイチャーと言ってもそのどの雑誌に掲載されているかまで見る必要があります。

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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の国際予後指標

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進行期ホジキンリンパ腫における予後予測モデル

研究の背景

CLLからびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) やホジキンリンパ腫に形質転換したリヒター症候群は、 化学療法に対する反応性低下と生存期間短縮を伴い、 極めて予後不良であることが知られ、 通常の化学療法では治療が難しいとされている。

研究デザイン

対象

RTを伴う再発・難治性のCLL患者 : 59例

方法

tislelizumabとzanubrutinibを12サイクル併用投与し、 治療に奏効した患者は両剤による維持療法を継続した。

主要評価項目

6サイクル後の全奏効率 (ORR)

副次評価項目

奏効期間、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)

研究結果

主要評価項目

ORR : 58.3% (うち完全奏効18.8%、 部分奏効39.6%)

95%CI 43.2-72.4%

副次評価項目

奏効期間中央値

未到達であった。

PFS中央値

10.0ヵ月

95%CI 3.8-16.3ヵ月

12ヵ月時OS率

74.7%

95%CI 58.4-91.0%

多く認められた有害事象

感染症 (18.0%)、 胃腸障害 (13.0%)、 血液毒性 (11.4%)

結論

tislelizumabとzanubrutinibの併用療法は、 リヒター症候群の患者に対する有効かつ忍容性の高い治療戦略となる可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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