海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Chalabiらは、 ミスマッチ修復機構欠損 (dMMR) を有する局所進行結腸癌患者を対象に、 抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブによる術前免疫療法の有効性および安全性を第Ⅱ相試験NICHE-2で検討した。 その結果、 ニボルマブ+イピリムマブによる術前免疫療法は高い病理学的奏効を示し、 安全性プロファイルも良好であることが明らかとなった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
第Ⅱ相試験なので、 当然のことながら結論にacceptable safety profileと安全性にまず言及しているが良い印象です。 最近は第Ⅱ相試験でも有効性について言及する研究が増加しています。
dMMR腫瘍は非転移性結腸癌患者の10~15%に認められ、 これらの患者では化学療法の有効性は限定的である。 術前免疫療法は有望な結果を示しているが、 このアプローチに関する研究データは限られている。
治療歴のない非転移性局所進行dMMR結腸癌患者 : 115例
ニボルマブ+イピリムマブによる術前免疫療法
適時の手術 (治療関連毒性事象による予定手術の遅れが2週間以内と定義) と定義した安全性と3年無病生存
適時の手術
有効性解析
再発
追跡期間中央値26ヵ月 (範囲 9-65ヵ月) の時点で、 再発は認められなかった。
免疫関連有害事象
Grade3または4の免疫関連有害事象が発現した患者は4% (5例) で、 有害事象が原因で投与を中止した患者はいなかった。
著者らは、 「局所進行dMMR結腸癌患者において、 ニボルマブ+イピリムマブによる術前免疫療法は許容可能な安全性プロファイルを示し、 高い割合で病理学的奏効をもたらした」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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