【Lancet Gastroenterol Hepatol】オリゴ転移食道扁平上皮癌、全身+局所療法でPFS改善
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Lancet Gastroenterol Hepatol】オリゴ転移食道扁平上皮癌、全身+局所療法でPFS改善

【Lancet Gastroenterol Hepatol】オリゴ転移食道扁平上皮癌、全身+局所療法でPFS改善
Liuらは、 オリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者を対象に、 全身療法に局所療法を併用した際の有効性を第Ⅱ相多施設共同非盲検無作為化比較試験ESO-Shanghai13で検討した。 その結果、 全身療法に局所療法を併用することにより、 無増悪生存期間 (PFS) が有意に改善する可能性が示唆された。 本研究は、 Lancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。

📘原著論文

Systemic therapy with or without local intervention for oligometastatic oesophageal squamous cell carcinoma (ESO-Shanghai 13): an open-label, randomised, phase 2 trial. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2024 Jan;9(1):45-55. PMID: 37980921

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

ClinicalTrials.govではこのEso-Shanghai trialは17まで登録されています。 中国から研究結果をどのように一般化していくか (日本人に適応していくのか)、 今後の大きな課題です。

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背景

オリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者に対する局所療法の効果は不明である。

研究デザイン

対象

原発巣がコントロールされ、 1~4個の転移病変を認めるオリゴ転移陽性の食道扁平上皮癌患者

介入

患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • 全身療法+局所療法併用群 : 53例
  • 全身療法単独群 : 51例
全身療法レジメンは担当医の裁量に委ねられ、 化学療法単独、 抗PD-1抗体単独、 化学療法+抗PD-1抗体が含まれた。 局所療法としては放射線療法、 手術、 焼灼療法が実施された。

主要評価項目

PFS

研究結果

有効性評価

PFS中央値

  • 全身療法+局所療法併用群 : 15.3ヵ月 (95%CI 10.1-20.5ヵ月)
  • 全身療法単独群 : 6.4ヵ月 (95%CI 5.2-7.6ヵ月)
層別HR 0.26(95%CI 0.16-0.42)、層別ログランク検定のp<0.0001

安全性評価

Grade1/2の急性食道炎の発生率

全身療法+局所療法併用群のほうが全身療法単独群よりも高かった。

  • 全身療法+局所療法併用群 : 19%
  • 全身療法単独群 : 2%
p=0.036

Grade3以上の治療関連有害事象の発現率

両群で同程度であった。

  • 全身療法+局所療法併用群 : 47%
  • 全身療法単独群 : 41%
p=0.538

主な有害事象

白血球減少

  • 全身療法+局所療法併用群 : 32%
  • 全身療法単独群 : 35%

好中球減少

  • 全身療法+局所療法併用群 : 36%
  • 全身療法単独群 : 39%

治療に関連した死亡

  • 全身療法と局所療法併用群 : 2例
  • 全身療法単独群 : 1例

結果の解釈

全身療法を受けているオリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者において、 転移部位への局所療法の追加は、 PFSを有意に改善する可能性が示された。 この所見は、 局所療法と全身療法を組み合わせることが、 オリゴ転移性食道扁平上皮癌患者の治療選択肢となり得ることを示唆しているが、 第Ⅲ相試験によるさらなる裏付けが必要である。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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