海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Liuらは、 オリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者を対象に、 全身療法に局所療法を併用した際の有効性を第Ⅱ相多施設共同非盲検無作為化比較試験ESO-Shanghai13で検討した。 その結果、 全身療法に局所療法を併用することにより、 無増悪生存期間 (PFS) が有意に改善する可能性が示唆された。 本研究は、 Lancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。
ClinicalTrials.govではこのEso-Shanghai trialは17まで登録されています。 中国から研究結果をどのように一般化していくか (日本人に適応していくのか)、 今後の大きな課題です。
食道癌 (扁平上皮癌/頚部・胸部食道癌-腺癌) のTNM分類(規約版)
オリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者に対する局所療法の効果は不明である。
原発巣がコントロールされ、 1~4個の転移病変を認めるオリゴ転移陽性の食道扁平上皮癌患者
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
PFS
PFS中央値
層別HR 0.26(95%CI 0.16-0.42)、層別ログランク検定のp<0.0001
Grade1/2の急性食道炎の発生率
全身療法+局所療法併用群のほうが全身療法単独群よりも高かった。
p=0.036
Grade3以上の治療関連有害事象の発現率
両群で同程度であった。
p=0.538
主な有害事象
白血球減少
好中球減少
治療に関連した死亡
全身療法を受けているオリゴ転移を有する食道扁平上皮癌患者において、 転移部位への局所療法の追加は、 PFSを有意に改善する可能性が示された。 この所見は、 局所療法と全身療法を組み合わせることが、 オリゴ転移性食道扁平上皮癌患者の治療選択肢となり得ることを示唆しているが、 第Ⅲ相試験によるさらなる裏付けが必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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