海外ジャーナルクラブ
26日前

Sperryらは、 米国において、 出血性ショックを伴う外傷患者を対象に、 病院到着前のO型全血輸血の有効性および安全性について、 血液成分輸血を対照とした実用的多施設共同第Ⅲ相クラスター無作為化比較試験TOWARで評価した。 その結果、 病院到着前輸血として全血を使用しても、 血液成分製剤を使用した場合と比べて30日死亡率は低下しなかった。 本研究はN Engl J Med誌において発表された。
病院到着前段階での輸血量は院内輸血量と比較して少なく、 一部の患者では両群とも血漿や赤血球製剤が追加投与されていたため、 蘇生特性が類似した可能性があります。
病院到着前の輸血は、 外傷性出血およびショックによる死亡率を低下させる。 一方で、 全血輸血が血液成分輸血よりも有益であるかどうか、 また献血から輸血までの保存期間が及ぼす影響については明らかではない。
実用的第Ⅲ相クラスター無作為化比較試験TOWARでは、 1ヵ月ごとのブロック単位で米国の航空医療基地44箇所を以下の2群に2 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 無作為化後30日以内の全死因死亡 (30日死亡率) であった。 観察サブスタディでは、 全血の保存期間に応じた転帰を評価した。
航空医療基地から病院へ搬送された適格患者1,020例のうち715例が全血群、 305例が血液成分群に割り付けられ、 それぞれ695例、 298例が主解析の対象となった。
30日死亡率は、 全血群が25.9%、 血液成分群が20.5%であり、 両群間に有意差は認められなかった (調整OR 1.24 [95%CI 0.87-1.76]、 p=0.24)。
有害事象においても両群間に実質的な差は認められなかった。
観察サブスタディにおける保存期間別の30日死亡率は、 保存期間15~21日の全血を投与された210例では27.1%、 保存期間1~14日の全血を投与された443例では26.4%であり、 全血の保存期間による明確な差は認められなかった (調整OR 0.99 [95%CI 0.74-1.32])。
著者らは 「出血性ショックを伴う外傷患者において、 病院到着前輸血として全血を使用しても、 血液成分製剤を使用した場合と比べて30日死亡率は低下しなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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