海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Dumasらは、 ホルモン受容体 (HR) 陽性早期乳癌で内分泌療法 (ET) のアドヒアランス向上がもたらす生存ベネフィットをコホート研究 (target trial emulation) で検討した。 その結果、 特に34歳以下の患者では、 厳格なET継続戦略で5年無病生存 (DFS) 率が向上する可能性が示唆された。 研究結果はJ Clin Oncol誌に発表された。
特に、 術後内分泌療法の非遵守リスクの高い若年女性を対象とした介入戦略の開発の重要性を示す研究といえます。
HR陽性早期乳癌は、 若年者では再発リスクが高いことが知られている。 ETのアドヒアランスが低いことが潜在的な原因の一つであるが、 アドヒアランス向上による生存ベネフィットは不明である。
そこで、 ETのアドヒアランス向上による生存ベネフィットを、 フランスの全国規模のコホート研究で評価した。
フランスの国民健康データシステムのデータおよびtarget trial emulationの手法を用いて、 治療中断を30日、 90日または180日以内に抑えた3種のET継続戦略に基づく推定5年無病生存 (DFS) 率を、 実際のET継続状況に基づくDFS率と比較した。
解析対象としたHR陽性早期乳癌患者12万1,601例のうち29.8%が診断時に50歳未満であった。 若年者は高齢者と比べてDFS率が低く、 ETの中止率が高かった。
34歳以下の若年者では、 厳格なET継続戦略 (治療中断期間30日以内) で、 実際に観察されたET継続と比べて、 5年DFS率が74.5%から78.8%に改善した (差 4.3%㌽ [95%CI 2.6~7.2%㌽])。
治療中断を90日または180日以内に抑えるET継続戦略では、 34歳以下の患者5年DFS率の改善幅は、 それぞれ1.3%㌽ (95%CI 0.2~3.7%㌽)、 1.0%㌽ (95%CI -0.2~3.4%㌽) に減少した。
一方、 50歳以上の患者でのET継続によるDFS率の改善幅は、 治療中断期間に関係なく実際のET継続状況に基づくDFS率と比べて1.9%㌽以下であった。
著者らは 「34歳以下のHR陽性早期乳癌女性患者で、 厳格なET継続戦略が5年DFS率の改善と関連し、 ET継続を改善するための個別化戦略の必要性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。