海外ジャーナルクラブ
2年前
Liu Cらは、 冠動脈疾患患者のHDL-C超高値が死亡率と関連するかを検討する"前向き多施設コホート研究"を実施した. 結果、 HDL-C ≧80 mg/dLは、 CAD患者の死亡リスク上昇と関連していることが示唆された. 本研究はJAMA Cardiol誌で発表された.
これまでの研究ではHDL-Cが高いほど心血管リスクが低いことが示されてきた. しかし、 最近の一般集団におけるデータでは、 HDL-Cが非常に高い場合には有害事象のリスクが増加することが示されている.
英国バイオバンク(UKB)および米国エモリー心血管バイオバンク(EmCAB)で、 HDL-C ≧80 mg/dLのCAD患者を対象とした. 主要評価は全死因死亡、 副次評価は心血管死とした.
追跡期間中央値は、 UKBで8.9年、 EmCABで6.7年であった. ともに転帰とのU型の関連が見られ、 HDL-C値が中程度の値の人に比べ、 低HDL-C値と非常に高いHDL-C値の人のリスクが高くなることが確認された.
UKBコホートでは、 HDL-C値 80 mg/dL以上は、 HDL-C 40~60 mg/dLと比較して、 全死因死亡および心血管死のリスクが高かった.
感度分析で、 HDL-C超高値群の全死因死亡リスクは、 男性の方が女性よりも高かった
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。