寄稿ライター
10日前
藤田医科大学は2026年度に入学する学生から、 医学部の学費を大幅に引き下げることを発表しました。 一方で国立大学では値上げの動きもあり、 大学間の競争が激化しています。
藤田医科大学は2026年度から、 入学金と授業料を合わせた6年間の学費の総額を現行の2980万円から2152万円に約3割引き下げることを発表しました。
これにより、 私立大学医学部の中で4番目に安い学費となります*¹⁾。 岩田仲生学長は 「これまで以上に優秀な学生が進学しやすい環境を整え、 将来の研究大学の礎となる人材の育成に注力していきたい」 と述べています。
【表1】は私立大学の6年間の授業料総額 (2025年度) です。 藤田医科大学は現時点のもので、 学友会費、 同窓会費などを含めているため、 2980万円となっていません。 ご了承ください。
私立大学医学部の値下げといえば、 2008年度の順天堂大学 (6年間で約900万円引き下げ) が有名です。
実は学部経営では、 私立大学医学部は赤字になるのが一般的といえます。 赤字が多い私立大学の中であえて値下げに踏み切ったのは、 優秀な学生の獲得競争がますます激化することが予想されるためといえるでしょう。
一方、 東京大学理科3類の入学金・授業料は、 2025年度から約2割値上げされ、 6年間で約414万円になりました。 千葉大学や東京科学大学も同水準です。
国公立の授業料を巡っては、 文部科学省の諮問機関による専門部会で2024年、 委員を務める慶應義塾長の伊藤公平氏が 「国公立大の授業料を年150万円に上げるべき」 とする提言をし、 話題となりました。
先ほどご紹介した東京大学や千葉大学など一部を除き、 多くの国立大学は、 授業料が年約54万円、 入学金が約28万円と決められています (6年の学費は総額約350万円)。 つまり、 「授業料を約3倍にせよ」 という趣旨です。
これに対し文部科学省は授業料に関して 「近年の物価や人件費の変化を考慮し、 個人負担と支援のバランスを検討する」 とのスタンスで、 「国立大学法人等の機能強化に向けた議論の状況を踏まえつつ丁寧に検討を進める」 としています。
次回は、 授業料の引き下げに伴う難易度の変化について考察します。
今ならHOKUTOからの資料請求限定で、 メディカルラボが監修する 「2025年度用 全国医学部最新受験情報」(B5版266㌻) を無料進呈します。 最新の受験データなど、 医学部受験に必要な情報を網羅した一冊です。
資料請求はコチラ。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。