【NEJM】デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFSとpCRが改善:AEGEAN
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFSとpCRが改善:AEGEAN

【NEJM】デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFSとpCRが改善:AEGEAN
Heymachらは、 切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 術前療法としての抗PD-L1抗体デュルバルマブ+化学療法併用療法および術後療法としてのデュルバルマブ単剤療法の有効性および安全性を国際第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験AEGEANで検討した。 その結果、 デュルバルマブ+化学療法併用が術前化学療法単独に比べて、無イベント生存期間 (EFS) と病理学的完全奏効 (pCR)の両方を有意に改善した。本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Perioperative Durvalumab for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2023 Oct 23. PMID: 37870974

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

immunotherapyの有効性は確かなので、 今後はneoadjuvant vs. adjuvant vs perioperative immunotherapyでより詳細にまで迫っていく必要がありそうです。

🔢関連コンテンツ

イミフィンジ点滴静注120mg / 500mg

デュルバルマブ

肺癌のTNM臨床病期分類

肺癌の病期分類 (UICC-8版)

背景

術前または術後療法は切除可能なNSCLC患者の転帰を改善する可能性がある。 周術期のレジメンが長期転帰を改善するための重要な要素となり得る。

研究デザイン

対象

ⅡA〜ⅢB期 (N2)の切除可能なNSCLC患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた

  • デュルバルマブ併用群:400例
術前にデュルバルマブ1,500mg静注+白金製剤ベースの化学療法 (3週ごと4サイクル)、 術後にデュルバルマブ1,500mg静注 (4週ごと12サイクル)
  • 化学療法単独群:402例
術前にプラセボ静注+白金製剤ベースの化学療法 (3週ごと4サイクル)、 術後にプラセボ静注 (4週ごと12サイクル)

主要評価項目

EFSとpCR

研究結果

有効性評価

EFS中央値

初回の中間解析(データのmaturityは31.9%)の結果、デュルバルマブ併用群の方が化学療法単独群より有意に長かった

  • デュルバルマブ併用群:NR (31.9ヵ月-NR)
  • 化学療法単独群:25.9ヵ月 (18.9ヵ月-NR)
病勢進行、 再発、 死亡の層別HR:0.68、 95%CI 0.53-0.88、 p=0.004

12ヵ月時EFS率

  • デュルバルマブ併用群:73.4% (95%CI 67.9-78.1)
  • 化学療法単独群:64.5% (95%CI58.8-69.6)

pCR率

  • デュルバルマブ併用群:17.2%
  • 化学療法単独群:4.3%
群間差=13.0%ポイント (95%CI 8.7-17.6)

安全性評価

Grade3または4の有害事象の発現

  • デュルバルマブ投与群:42.4%
  • 化学療法単独群:43.2%

結論

切除可能なNSCLC患者において、 周術期療法におけるデュルバルマブの追加は、 術前補助化学療法単独に比べ、 EFSおよびpCRを有意に改善した。 安全性プロファイルについても個々の薬剤と一致していた。


HOKUTO関連コンテンツ

【専門医寄稿】IASCL 2023 肺癌の領域別トレンド解説

【AEGEAN】周術期のデュルバルマブ追加で手術に悪影響なし

デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFS延長:AEGEAN

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【NEJM】デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFSとpCRが改善:AEGEAN