海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Villacampaらは、 HER2陽性早期乳癌患者を対象に、 HER2DXリスクスコアと生存転帰との関連を個々の患者レベルのメタ解析で検討した。 その結果、 HER2DXがHER2陽性早期乳癌における予後層別化の有用な指標となることを示し、 臨床的意思決定や治療強度の調整に資する可能性を支持した。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
HER2DXは中枢神経系 (CNS) 再発リスクの予測にも有用である可能性が示唆されており、 今後の研究による検証が求められます。
HER2標的療法はHER2陽性乳癌の転帰を著しく改善したが、 現在の臨床病理学的因子や術前療法後の病理学的完全奏効 (pCR) は、 生物学的異質性を完全に把握し、 個別化治療を導くには不十分である。
そこで本研究では、 HER2陽性早期乳癌において、 HER2DXリスクスコアと転帰との関連を個々の患者レベルのメタ解析で検討した。
Ⅰ~Ⅲ期HER2陽性乳癌を対象とした研究データを用いて、 HER2DXリスクスコア、 臨床情報、 生存転帰を組み込んだシステマティックレビューおよび個人患者レベルのメタ解析を実施した。
PubMedにて系統的文献検索を実施し、 院内データベースのレビューを補足して、 HER2DX検査および個々の患者レベルのデータを含む11件の適格*な研究を特定し、 HER2DXの臨床データおよび生存アウトカムが利用可能な2,518例が解析対象となった。
HER2DXリスクスコアは連続変数として評価され、 事前に設定されたカットオフ (低リスク vs 高リスク) に基づいてリスク群として分類された。
主要評価項目は無イベント生存 (EFS) 率であり、 Kaplan–Meier法を用いて推定した。 また、 単変量および多変量の層別Coxモデルを用いて、 層別HRを推定した。
追跡期間中央値6.1年 (95%CI 6.0-6.3年) において、 Ⅰ期が35.4%、 Ⅱ期が45.0%、 Ⅲ期が19.6%であった。 ホルモン受容体陽性患者は65.9%で認められ、 HER2DXリスクスコアの高リスク群は50.0%であった。
多変量解析において、 HER2DXを連続変数として解析した結果、 EFS率と独立した関連性が認められた (10単位のスコア増加あたりの層別HR 1.25 [95%CI 1.14-1.38]、 p<0.0001)。
6年EFS率は、 HER2DXの低リスク群が93.6% (95%CI 92.0-95.2%)、 高リスク群が82.9% (95%CI 80.0-85.5%) であり、 絶対差は10.7%㌽であった (層別HR 2.72 [95%CI 1.97-3.76]、 p<0.0001)。
この関連性は、 腫瘍ステージ、 リンパ節ステージ、 pCR、 HR陽性の有無にかかわらず、 サブグループ間で一貫していた。
著者らは 「本研究の結果は、 HER2DXがHER2陽性早期乳癌における予後層別化の有用な指標となることを示し、 臨床的意思決定や治療強度の調整に資する可能性を支持した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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