HOKUTO編集部
1年前

オリゴ転移を有する去勢抵抗性前立腺癌 (omCRPC) を対象に、 エンザルタミド+アンドロゲン除去療法 (ADT) への体幹部定位放射線治療 (SBRT) の併用効果を検証した第Ⅱ相無作為化比較試験GROUQ-PCS 9の結果より、 rPFSが有意に改善した。 カナダ・McGill UniversityのTamim Niazi氏が発表した。
転移指向性治療 (metastasis-directed therapy;MDT) は、 転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) において全身療法を遅らせ、 腫瘍学的アウトカムをある程度改善することが示されている。 しかし、 去勢抵抗性前立腺癌 (CRPC) に対しては、 MDTの有効性を示すデータはいまだ報告されていない。
本試験では、 omCRPCにおいて、 MDTとしてのSBRT併用療法の有効性を評価した。
対象は、 ①転移巣が5個以下、 ②新規ホルモン製剤 (NHAs) の投与歴がない、 ③ADTを受療中、 ④ECOG PS 0~1ーーのomCRPCだった。 mHSPC段階時のドセタキセル投与歴は許容された。
100例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は放射線学的無増悪生存期間 (rPFS) 。 副次的評価項目は生化学的無増悪生存期間 (bPFS)、 後治療に至るまでの期間、 健康関連QOL、 安全性・毒性、 全生存期間 (OS) だった。
Gleasonスコア 8+の患者割合は、 Enza+ADT群 61.7%、 Enza+ADT+SBRT群 50%で、 前立腺または前立腺床への放射線照射歴ありはそれぞれ77.1%、 86.5%だった。 最も多い転移部位は骨 (75%、 61.5%) で、 次いでリンパ節、 肺、 軟部組織の順であった。
rPFS中央値は、 Enza+ADT+SBRT群で4.6年 (イベント数30件) と、 Enza+ADT群の2.3年 (同19件) に比べおよそ2倍に延長していた (HR 0.48 [95%CI 0.27-0.86]、 p=0.014)。
bPFS中央値は、 Enza+ADT+SBRT群 4.6年、 Enza+ADT群 3.1年であり、 Enza+ADT+SBRT群で42%のリスク低減効果が示された (HR 0.58 [95%CI 0.32-1.03]、 p=0.065)。
後治療に至るまでの期間中央値は、 Enza+ADT群の2.9年に対してEnza+ADT+SBRT群が5.1年と有意に改善した (HR 0.42 [95%CI 0.22-0.8]、 p=0.009)。
OS中央値は両群ともにNRで、 数値上はEnza+ADT+SBRT併用療法で死亡リスクを29%低減する結果だったが、 有意差は認めなかった (HR 0.71 [95%CI 0.31-1.59]、 p=0.407)。
Grade2以上の有害事象 (AE) 発現率は、 Enza+ADT+SBRT群 36.5%、 Enza+ADT群 43.8%で、 両群間に差は示されず、 エンザルタミドの毒性プロファイルとして知られているAEと一致していた。 Enza+ADT+SBRT群では、 7.7%にSBRT照射部位の疼痛増悪が発生した。
Niazi氏は 「omCRPCにおいて、 エンザルタミド+ADT併用療法へのSBRT追加により、 エンザルタミド+ADTと比較してrPFSの有意な改善が示された。 SBRTを追加しても、 安全性プロファイルはエンザルタミド+ADT併用療法と同様であった。 SBRTを用いたMDTは、 omCRPCに対して強く検討されるべき治療法である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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