海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

東京大学大学院臓器病態外科学講座の河口義邦氏らの研究グループは、 肝細胞癌 (HCC) に対する手術とラジオ波焼灼術 (RFA) の有効性および安全性を無作為化比較試験SURF-RCTおよび非無作為化前向き観察研究SURF-Cohortで検討した。 その結果、 小型HCCでは、 治療による無再発生存期間と全生存期間に関して、 手術のRFAに対する優越性は示されなかった。 研究結果はJ Clin Oncol誌に発表された。
「Attention must be paid when applying our results to clinical practice」 との記載から、 本研究の適格基準は 「最大径3cm以下、 かつ3個以下のHCC結節」 でしたが、 実際には90%が単発結節、 65%が最大径2cm以下であり、 この結果は 「最大径2cm以下かつ単発HCC患者」 に最も適していると書かれています。
肝細胞癌 (HCC) に対する手術とラジオ波焼灼術 (RFA) の有効性を評価するため、 無作為化比較試験SURF-RCTを実施した。 また、 無作為化に同意しなかった適格患者を非無作為化前向き観察研究SURF-Cohortに登録した。
今回、 SURF-RCTとSURF-CohortのOSとRFSの最終解析結果が報告された。
国内49施設で、 SURF-RCTまたはSURF-Cohortに登録された最大径3cm以下かつ結節数3個以下のHCC患者1,055例が、 以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は、 無再発生存期間 (RFS) および全生存期間 (OS) であった。
SURF-RCTでは、 患者の90%は単発性HCCであり、 約65%は腫瘍径2.0cm以下であった。
5年OS率は手術群が74.6%、 RFA群が70.4%であり (HR 0.96、 調整p=0.84)、 5年RFS率はそれぞれ42.9%、 42.7%であった (HR 0.90、 調整p=0.84)。
手術群では86例が再発し、 うち14例 (16.3%) が手術、 50例 (58.1%) がRFAを受けた。 RFA群では95例が再発し、 うち8例 (8.4%) が手術、 55例 (57.9%) がRFAを受けた。
重篤な有害事象は手術群の3.3%に発現し、 RFA群では認められなかった。
SURF-Cohortでは、 ベースラインの背景因子に群間の不均衡が認められたが、 治療選択の逆確率重み付け (IPTW) による調整後、 OSおよびRFSに両群で有意差は認められなかった (それぞれp=0.77、 p=0.08)。
著者らは 「この研究では、 小型HCCの治療として、 手術のRFAに対する優越性は示されなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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