Forneckerらは, 治療歴のない限局期予後不良ホジキンリンパ腫患者を対象に, BV-AVD療法の有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化非盲検第II相試験を実施 (BREACH試験) . その結果, BV-AVD療法は ABVD療法に比べて 2サイクル後の PET陰性率が改善したことが明らかとなった. 本研究は, J Clin Oncol誌において発表された.
📘原著論文
Fornecker LM, et al, Brentuximab Vedotin Plus AVD for First-Line Treatment of Early-Stage Unfavorable Hodgkin Lymphoma (BREACH): A Multicenter, Open-Label, Randomized, Phase II Trial. J Clin Oncol. 2022 Jul 22;JCO2101281.PMID: 35867960
👨⚕️HOKUTO監修医コメント
ホジキンリンパ腫のさまざまな対象群において同様の比較がなされて有意差を示した報告がここ1年間で散見されています.
📅HOKUTO関連コンテンツ
BV-AVD療法
ブレンツキシマブ・ベドチン+ドキソルビシン, ビンブラスチン, ダカルバジン
ABVD療法
ドキソルビシン, ブレオマイシン, ビンクリスチン, ダカルバジン
背景
限局期予後不良ホジキンリンパ腫患者の転帰は依然として満足のいくものではない.
研究デザイン
- 対象:18~60歳でEORTC/LYSA基準で1つ以上の予後不良因子を有する満たす患者.
- 患者は以下の2群に2:1で無作為に割り付けられた.
- BV-AVD群:113名
- ABVD群:57名
- 両群ともに4サイクルの治療後に30Gyの関与リンパ節放射線治療を実施.
- 主要評価項目:2 サイクル終了時における専門家の独立審査によるDeauville スコアを用いた PET 陰性率.
研究結果
- 2015年3月~2016年10月の間に, 170人の患者が登録された.
- 2サイクル終了時点のPET 陰性率
- BV-AVD群 82.3% (93/113例)
82.3%, 90%CI 75.3-88.0
75.4%, 90%CI 64.3-84.5
- 2年無増悪生存期間 (PFS)
- BV-AVD群 97.3%
95%CI 91.9-99.1
95%CI 81.4-97.2
- PETでの腫瘍量の多さがPFS短縮と有意に関連していた
HR 17.9;95%CI 2.2~145.5, P<0.001
- 腫瘍量が多い患者の2年PFS率
- BV-AVD群 90.9%
95%CI 74.4-97.0
95%CI 39.4-87.9
結論
BV-AVDはABVDに比べて 2サイクル終了時の PET 陰性率が改善した.