海外ジャーナルクラブ
2年前
Vrseljaらは、 経口補助内分泌療法を受け血管運動症状がある乳癌患者を対象に、 非ホルモン性経口低分子薬Q-122の有効性と安全誌を多施設無作為化二重盲検プラセボ対照概念実証第Ⅱ相試験で検討。 その結果、 Q-122は投与28日間における中等度および重度のほてりおよび寝汗の血管運動症状重症度スコア (msVMS-SS)の平均変化率が有意に高かった。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
有効性については、 スコアーのベースラインからの減少率 (変化率) では有意差が出ているのですが、 こういうスコアーは臨床的に意味のある減少率をいくらに設定するかで大きく結果の解釈が異なってきます。 例えば、 50%減少を基準とすると有意差はありません。
経口補助内分泌療法を受けている乳癌女性の2/3 以上が、 血管運動症状 (のぼせや寝汗) を経験しているが、 安全で効果的な治療法が不足している。
Q-122 は、 視床下部のエストロゲン応答性ニューロンを調節することにより血管運動症状を軽減する見込みがある新規の非ホルモン化合物である。
乳癌後にタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤を服用し、 週に少なくとも50回の中等度から重度の血管運動症状を自己申告した18〜70歳の女性。
参加者は以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付け。
試験開始から28 日目までのmsVMS-SSのベースラインからの平均変化率の差。
Q-122は、 プラセボと比較して、 投与28日間におけるmsVMS-SSのベースラインからの変化率平均が有意に大きかった (最小二乗平均値) 。
治療上有害な事象は概して軽度から中等度であり、 両群間で差がなかった。
治療上有害な事象
重篤な有害事象
Q-122は、 乳癌後の経口アジュバント内分泌療法を受けている女性の血管運動症状に対する有効かつ忍容性の高い非ホルモン性経口治療薬である。
この結果は、 Q-122の大規模かつ長期的な試験の実施を支持し、 更年期ホルモン療法に代わる治療法を必要とする閉経後女性にも使用できる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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