【J Clin Oncol】B細胞性ALLへのBuCyレジメンはTBI-Cyに比べ非劣性
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2年前

【J Clin Oncol】B細胞性ALLへのBuCyレジメンはTBI-Cyに比べ非劣性

【J Clin Oncol】B細胞性ALLへのBuCyレジメンはTBI-Cyに比べ非劣性
Zhangらは, 同種造血幹細胞移植 (allo-HSCT) を受けるB細胞性急性リンパ性白血病 (ALL) 患者を対象に, ブスルファン+シクロホスファミド (BuCy) および全身放射線照射+シクロホスファミド (TBI-Cy) 条件療法の有効性および安全性を非盲検無作為化第Ⅲ相試験で検討. その結果, BuCy レジメンは TBI-Cyに比べ非劣性であることが明らかとなった. 本研究は, J Clin Oncol誌において発表された. 

📘原著論文

Busulfan Plus Cyclophosphamide Versus Total Body Irradiation Plus Cyclophosphamide for Adults Acute B Lymphoblastic Leukemia: An Open-Label, Multicenter, Phase III Trial. J Clin Oncol. 2022 Sep 9;JCO2200767.PMID: 36084276

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は非劣勢試験で合計550の患者数でやや少ないのではとの印象だけ受けました非劣勢マージンは10%とされていましたので, これくらいの計算値に収まりそうです.


背景

allo-HSCTを受けるALL患者において, ブスルファンベースとTBIベースのレジメンが同等の結果をもたらすかどうかは依然として議論のあるところである.

研究デザイン

  • 対象:CR1期の標準的リスクのALL患者 (14~65歳) .
  • 患者を以下の群に1:1の割合でランダムに割り付け
  • BuCy群:275人
ブスルファン 0.8mg/kgを-7~-4日目に1日4回, シクロホスファミド60mg/kgを-3~-2日目に1日1回
  • TBI-Cy群:275人
4.5GyのTBIを-5~-4日, シクロホスファミド60mg/kgを-3~-2日目に1回
  • 主要評価項目:2年全生存率

研究結果

  • 2年全生存率は76.6%で, TBI-Cyに対するBuCyの非劣性が示された.
95%CI 71.7 -81.8, P=0.457, 差:2.9%, 95%CI -4.1-9.8, P=0.022
  • 2年後の再発
  • BuCy群20.2% (95%CI 15.6-25.1)
  • TBI-Cy群:18.4% (95%CI 14.0-23.2)
P=0.616
  • 再発以外の死亡率
  • BuCy群:11.0% (95%CI 7.6-15.0)
  • TBI-Cy群: 11.0% (95%CI 7.7-15.1)
P=0.988
  • レジメン関連毒性, 移植片対宿主病, および晩期障害については, 両群間に差はなかった.

結論

HLA適合allo-HSCT を受けた CR1 の成人標準リスク B 細胞-ALL 患者に対して, BuCy レジメンは TBI-Cy (4.5Gy × 2) と比較して有効性と安全性が劣っていないことが明らかになった.

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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