海外ジャーナルクラブ
2年前
Arbelらは, Covid-19オミクロン株の患者を対象に, 経口プロテアーゼ阻害剤ニルマトレルビルの有効性を検討. その結果, 65歳以上では, ニルマトレルビルの投与を受けた患者の方が, COVID-19による入院および死亡の割合が有意に少ないことが明らかとなった. 本研究は, NEJM誌において発表された.
本邦でも保険承認されているニルマトレルビル の臨床効果を検討した研究です. 40-64歳, 65歳以上の2群に大きく分けて治療効果を見ていますが, できれば10歳刻みか年齢の連続数として調整ハザード比を見てみたいですね. またデータセット自体が4%しかニルマトレルビルが投与されていないことから, いわゆる一般化については慎重に判断する必要があります.
経口プロテアーゼ阻害剤ニルマトレルビルは, SARS-CoV-2のB.1.617.2 (デルタ) 変異型に感染した高リスクでワクチン未接種の患者において, 有効であることが示されている. しかしB.1.1.529 (オミクロン) 変種によるCOVID-19の重症化を予防するための有効性に関するデータは限られている.
65歳以上の患者では, ニルマトレルビルの投与を受けた患者の方が, 受けなかった患者よりもCovid-19による入院および死亡の割合が有意に少なかった. なお、 若年者では有益性のエビデンスは認められなかった.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。