【NEJM】ニルマトレルビルの投与でCOVID-19による入院と死亡が有意に減少
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2年前

【NEJM】ニルマトレルビルの投与でCOVID-19による入院と死亡が有意に減少

【NEJM】ニルマトレルビルの投与でCOVID-19による入院と死亡が有意に減少
Arbelらは, Covid-19オミクロン株の患者を対象に, 経口プロテアーゼ阻害剤ニルマトレルビルの有効性を検討. その結果, 65歳以上では, ニルマトレルビルの投与を受けた患者の方が, COVID-19による入院および死亡の割合が有意に少ないことが明らかとなった. 本研究は, NEJM誌において発表された. 

📘原著論文

Arbel R, et al, Nirmatrelvir Use and Severe Covid-19 Outcomes during the Omicron Surge. N Engl J Med. 2022 Sep 1;387(9):790-798.PMID: 36001529

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本邦でも保険承認されているニルマトレルビル の臨床効果を検討した研究です. 40-64歳, 65歳以上の2群に大きく分けて治療効果を見ていますが, できれば10歳刻みか年齢の連続数として調整ハザード比を見てみたいですね. またデータセット自体が4%しかニルマトレルビルが投与されていないことから, いわゆる一般化については慎重に判断する必要があります.


背景

経口プロテアーゼ阻害剤ニルマトレルビルは, SARS-CoV-2のB.1.617.2 (デルタ) 変異型に感染した高リスクでワクチン未接種の患者において, 有効であることが示されている. しかしB.1.1.529 (オミクロン) 変種によるCOVID-19の重症化を予防するための有効性に関するデータは限られている.

研究デザイン

  • 研究期間開始時に 40 歳以上であり, オミクロン株急増時にニルマトレルビル療法を受ける資格があると評価された Clalit Health Services の会員データを検討.
  • 時間依存共変数を用いたCox比例ハザード回帰モデルを用いて, 社会人口学的因子, 併存疾患, および以前のSARS-CoV-2免疫状態を調整し, ニルマトレルビル治療とCovid-19による入院および死亡の関連を推定した.

研究結果

  • 合計109,254人の患者が適格基準を満たし, その内の4% (3902名) がニルマトレルビルを投与された.
  • 65歳以上の患者におけるCOVID-19による入院の割合
  • ニルマトレルビル投与群:10万人日あたり14.7件
  • 未投与群:10万人日あたり58.9件
aHR 0.27, 95%CI 0.15-0.49
  • Covid-19による死亡のaHR:0.21 (95%CI, 0.05-0.82) .
  • 40~64歳の患者におけるCOVID-19による入院の割合
  • ニルマトレルビル投与群:10万人日あたり15.2件
  • 未投与群:10万人日あたり15.8件
aHR 0.74, 95%CI, 0.35-1.58
  • Covid-19による死亡のaHR:1.32 (95%CI 0.16-10.75)

結論

65歳以上の患者では, ニルマトレルビルの投与を受けた患者の方が, 受けなかった患者よりもCovid-19による入院および死亡の割合が有意に少なかった. なお、 若年者では有益性のエビデンスは認められなかった.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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