【POLARGO】移植不適格の再発・難治性DLBCL、 ポラツズマブ ベドチン+R-GemOxでOS・PFS改善
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HOKUTO編集部

6ヶ月前

【POLARGO】移植不適格の再発・難治性DLBCL、 ポラツズマブ ベドチン+R-GemOxでOS・PFS改善

【POLARGO】移植不適格の再発・難治性DLBCL、 ポラツズマブ ベドチン+R-GemOxでOS・PFS改善
移植不適格で再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特定型 (DLBCL, NOSまたは低悪性度から形質転換したDLBCL) において、 R-GemOx*への抗CD79b抗体薬物複合体ポラツズマブ ベドチンの上乗せ効果を、 R-GemOx単独と比較検証した第Ⅲ相オープンラベル無作為化比較試験POLARGOの結果より、 OSおよびPFSが有意に改善した。 米・Rutgers Cancer InstituteのMatthew Matasar氏が発表した。
*抗CD20抗体リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン

背景

ポラツズマブ ベドチンはDLBCLで承認済

ポラツズマブ ベドチンはDLBCLの1次治療および再発・難治例に対して承認されている。 再発・難治例では同薬とベンダムスチン、 リツキシマブとの併用療法が行われているものの¹⁾²⁾、 依然として代替となる治療選択肢が求められている。

試験の概要

対象は移植不適格の再発・難治性DLBCL

対象は自家造血幹細胞移植が不適格で、 1ライン以上の前治療を有する再発・難治性で非特定型 (DLBCL, NOS) の患者、 または低悪性度から形質転換したDLBCL患者だった。

R-GemOx±ポラツズマブ ベドチンを比較

本試験は15例で安全性を検討した後、 255例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。

  • Pola-R-GemOx群 : 129例
ポラツズマブ ベドチン 1.8mg/kg+R-GemOx (リツキシマブ 375mg/m²+ゲムシタビン 1,000mg/m²+オキサリプラチン 100mg/m²) を3週毎に8サイクル投与
  • R-GemOx群 : 126例
R-GemOxを3週毎に8サイクル投与

主要評価項目はOS

主要評価項目は全生存期間 (OS) だった。 主な副次的評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 客観的奏効率 (ORR) だった。

試験の結果

患者背景は両群で同様

年齢中央値、 地域、 Ann Arbor分類などの患者背景は両群で概ねバランスが取れていた。 前治療歴が1ラインはPola-R-GemOx群が62.8%、 R-GemOx群が64.3%。 DLBCL, NOSはそれぞれ89.9%、 92.1%だった。

ポラツズマブ ベドチン上乗せで死亡リスク40%低減

追跡期間中央値24.6ヵ月におけるOS中央値は、 R-GemOx群の12.5ヵ月(95%CI 8.9-15.8ヵ月)と比較し、 Pola-R-GemOx群では19.5ヵ月(95%CI 13.3ヵ月-NE)と有意に改善した(HR 0.60 [同 0.43-0.83]、 p=0.0017)。

24ヵ月OS率はそれぞれ44.0%、 33.2%だった。 またOSサブグループ解析の結果、 事前に規定されたほぼ全てのサブグループにおいて、 Pola-R-GemOx群のR-GemOx群に対する優位性が一貫して認められた。

PFSを有意に改善

追跡期間中央値18.7ヵ月におけるPFS中央値は、 Pola-R-GemOx群が7.4ヵ月(95%CI 6.2-11.7ヵ月)、 R-GemOx群が2.7ヵ月(同 2.4-3.3ヵ月)だった(HR 0.37 [同 0.27-0.51]、 p<0.0001)。 12ヵ月PFS率はそれぞれ36.6%、 17.9%だった。

ORRはPola-R-GemOx群で52%超

ORRはPola-R-GemOx群が52.7%、 R-GemOx群が24.6%とPola-R-GemOx群で高かった。 また後続治療を必要とする患者の割合は、 R-GemOx群(65.1%)がPola-R-GemOx群(45.7%)より高かった。

安全性は既知のプロファイルと一致

Grade3~4の有害事象 (AE) 発現率はそれぞれ57.0%、 58.4%で、 重篤な治療関連AEは28.1%、 22.4%で認められた。 病勢進行による死亡は、 Pola-R-GemOx群 (29.7%) に比べてR-GemOx群 (56.0%) で多く報告された。

主なGrade3以上のAEは、 血小板減少症(Pola-R-GemOx群34.4%/R-GemOx群26.4%)、 好中球減少症(33.6%/30.4%)、 発熱性好中球減少症(2.3%/2.4%)、 貧血(13.3%/15.2%)、 感染(21.9%/9.6%)、 肝毒性(8.6%/1.6%)であり、 Grade3の末梢神経障害の発現率は3.9%/0%だった。

結論

Pola-R-GemOxが移植不適格既治療の再発・難治性DLBCLに有益

Matthew Matasar氏は 「本試験の結果は移植不適格で再発・難治性のDLBCLにおいて、 ポラツズマブ ベドチンと化学療法の併用療法が有益であることを裏付けるものである」 と報告した。

出典

¹⁾ N Engl J Med. 2022;386(4):351-363.

²⁾ J Clin Oncol. 2020;38(2):155-165.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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