海外ジャーナルクラブ
13日前

Leonardiらは、 PCI関連心筋梗塞 (PCI-MI) に関する普遍的定義 (UDMI) の変更が、 患者の予後予測に与える影響を、 MATRIX試験のPCI施行患者を対象に検証した。 その結果、 非ST上昇型ACS患者では、 第4版UDMIに基づきPCI-MIと判定された場合、 それ以前の版で判定した場合と比べ、 全死亡および心血管死亡のリスクは増加 (全死亡 : HR 2.08[95%CI 1.00–4.30]、 心血管死亡 : HR 2.62[95%CI 1.03–6.65]) しており、 予後不良PCI-MIの検出に有用であった。 試験結果はCirculation誌に発表された。
疾患定義はどの領域でも変化しており、 その意義を客観的に評価する非常に重要な研究です。
心筋梗塞の普遍的定義にはこれまで、 バイオマーカー閾値上昇など大幅な更新が加えられてきたが、 この定義変更が急性冠症候群 (ACS) 患者に与える影響は十分に検証されていない。
本研究では、 MATRIX試験におけるPCI施行ACS患者を対象に、 普遍的定義の変更がPCI関連心筋梗塞 (PCI-MI) の予後予測に及ぼす影響を検討した。
MATRIX試験にてPCIを施行された6,724例を対象に、 心筋梗塞の普遍的定義 (UDMI) 第2版・第3版・第4版に基づくPCI-MIを前向きに判定した。 主要評価項目は、 PCI後1年間の全死亡および心血管死亡とし、 各定義間でCox比例ハザードモデルを用いてHRと95%CIを算出した。
UDMI各版により定義されたPCI-MIは、 ACS全体では、 第2版で590例 (9%)、 第3版で193例 (3%)、 第4版で182例 (3%) に認められた。 非ST上昇型ACSのみでは、 15%、 5%、 5%であった。
非ST上昇型ACS患者では、 第4版UDMIに基づくPCI-MIは全死亡および心血管死亡のリスク増加と関連しており、 予後不良PCI-MIの検出に有用であった。
一方、 ST上昇型ではPCI-MIは発生が稀であり、 死亡率上昇とは関連しなかった。
また、 補助基準 (心電図変化および血管造影上の合併症) が存在しない場合、 トロポニンが単独で基準値上限の20倍まで上昇しても死亡リスクは増加しなかった。
著者らは、 「第4版UDMIに基づくPCI-MIは非ST上昇型ACS患者において1年死亡率上昇と関連しており、 PCI-MIの普遍的定義の進化を支持する結果となった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。