HOKUTO編集部
18日前
EGFR変異陽性の切除不能Ⅲ期NSCLCに対するCRT後のオシメルチニブ投与の有効性について、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験LAURAの日本人集団の解析結果が報告され、 全集団と同様にPFSの大幅な改善が示された。 神奈川県立がんセンター呼吸器内科医長の加藤晃史氏が発表した。
LAURA試験は、 白金製剤ベースの根治的化学放射線療法 (CRT) 後に病勢進行を認めない、 局所進行/切除不能のIII期EGFR陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 地固め療法としてのオシメルチニブの有効性と安全性をプラセボを対照に検証した第Ⅲ相試験である。 全集団の解析の結果、 主要評価である無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示されたことが、 今年の米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2024) で既に報告されている。
日本人集団においても患者背景は両群間で概ね同様だったが、 年齢中央値は71歳と、 全集団 (63歳) に比べて高齢な傾向にあり、 WHO PS 0の患者割合はオシメルチニブ群 (67%) がプラセボ群 (33%) に比べて多かった。 また、 すべての患者が同時化学放射線療法 (cCRT) を受けていた。
主要評価項目であるBICR評価によるRECISTv1.1に基づくPFS、 および担当医評価によるPFSはそれぞれ以下の通り。
日本人集団のCNS PFS中央値は、 オシメルチニブ群が38.9ヵ月、 プラセボ群が7.4ヵ月で、 全集団の結果と概ね一致していた。
日本人集団における安全性プロファイルは概ね全集団と一致していた。 また日本人集団では、 放射線肺炎の発現率がオシメルチニブ群で83%、 プラセボ群で57%と、 全集団 (それぞれ48%、 38%) に比べて高かったものの、 そのほとんどがGrade1-2で管理可能だった。 また、 両群とも間質性肺炎の発現は認められなかった。
加藤氏は 「LAURA試験における日本人患者に対するプラチナ製剤ベースのCRT後のオシメルチニブ投与の有効性および安全性は、 全集団における結果と一致しており、 日本人においても良好なベネフィット・リスクプロファイルを支持する結果となった。 ただし、 検証された患者数が少ないため、 結果の解釈には注意が必要である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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